『なら100年会館』(奈良市民ホール)

三陽アートギャラリー「ちらっとのぞいてきました」にようこそ!

建築に興味がある人もない人も、今年は奈良に注目です。

そうです、西暦2010年は奈良に平城京が誕生してから1300年目にあたります。

既に1月より平城遷都1300年祭が始まっており、4月24日からは平城宮跡会場もオープンします。

昨年お茶の間の話題にもなった、あの「せんと君」をイメージキャラクターとするお祭りです。

期間中は色々な催しがあり、皆さんも是非参加して見て下さい。

そしてお寺や古い街並みを見飽きたら、ちらっとのぞいて欲しいのが、今回紹介する『なら100年会館』(奈良市民ホール)です。
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全景

設計は国際コンペによって選ばれた磯崎新(いそざき・あらた)です。

戦艦のような、卵のような、何とも不思議な形をしていますが、大小3つのホールが収まるコンサートホールです。

何だか黒っぽい建物だなぁ~と思われる人も多いと思いますが、外壁は瓦状のタイルでびっしりと覆われているんですよ。

近くで見ると結構深みがあって、簡単に言うといぶし瓦をイメージしてもらうとわかり易いかも知れません。
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外壁のディテール

この色や形については、好き嫌いが分かれると思いますが、よくよく考えてみると、東大寺や法隆寺をイメージする訳にはいきませんから、奈良の歴史的建造物を引き立たせる、磯崎新なりの配慮だったのかも知れません。

何とも奇抜な建物ですが、私はインパクトがあって大好きな建物のひとつです。
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奈良駅西口とはペデストリアンデッキでつながる

ここまで極端ではありませんが、同じく磯崎新が設計した京都コンサートホールも、外壁に瓦風の外壁材が使用されていますので、比較されても面白いと思います。

奈良市民ホールの話しに戻りますが、内部は各ホールをつなぐエントランスホールしかなく、至ってシンプルな空間構成となっています。
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エントランスホール

ホール内部は見学できないと思いますが、1階に喫茶店がありますので、のんびりとした時間を過ごして下さい。
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喫茶(LAILAICAFE)

このような現代建築に触れることによって、奈良に点在する歴史的建造物の良さを、改めて感じることができるかも知れません。

【建物データ】
なら100年会館(奈良市民ホール)
設 計:磯崎新/磯崎新アトリエ
所在地:奈良市三条宮前町7-1
用 途:多目的コンサートホール
構 造:コンクリート補強鋼板シェル構造 他
規 模:地上5階、地下1階
竣 工:1998年10月
掲 載:新建築98年3月号(P135)
     新建築99年2月号(P92)