西堀榮三郎記念 探検の殿堂

三陽アートギャラリー「ちらっとのぞいてきました」第65回目です。

ますます暑さが厳しくなりましたが、皆さん元気でお過ごしでょうか?

今回紹介するのは、東近江市にあります「西堀榮三郎記念・探検の殿堂」

す。

設計は、京都の上田篤都市計画研究所という事務所です。

この施設は、第1次南極観測隊の越冬隊長として活躍した、西堀榮三郎氏

はじめ、近代日本人の探検家を顕彰する目的で、平成6年に建てられま

した。

当時は確か・・・マイナス25℃の南極体験ができる施設として、夏休みには

子供たちを中心に、大変人気がありました。

残念ながら、平成20年に南極体験が無くなってしまったのですが、その後

なているのかなぁ~?と気になったので、久しぶりにのぞいて見ることに

た。

東近江市湖東支所(旧湖東町役場)の向かいに、その建物はあります。

手前の空き地が駐車場になっています。

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案内看板を発見!

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かなり傷んでいますね・・・

続いて、オブジェがありました。

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登山に使用するピッケルでしょうか?

しばらく進んでいくと、ため池の奥に、変わった形の建物が姿を現します!

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ため池の手前は階段状になっていて、水辺に近づけるようになっています。

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少し危ないようにも思います・・・

水草や藻が大量に繁殖していて、あまり綺麗とは言えませんね(笑)

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ため池に沿って、遊歩道を進んでいきます。

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犬のブロンズ像は、南極へ行った「タロ」と「ジロ」でしょうか?

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ようやく建物に辿り着きました。

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正面より建物を臨む。

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三日月形の外観が、とてもシンボリックですね!

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外壁はRC打ち放し。

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正面に大きな補修後があるのは、ちょっと残念・・・

施設の入口は、三日月形の棟の先端にあります。

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玄関扉は、シンプルで少し小さめです。

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壁面に付けられた建物銘板。

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オシャレで格好イイです!

風除室は奥に細長く、ひとつの部屋のようになっています。

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少し見にくいですが、壁面には足形が型取られています。

反対側の壁面には、掲示物が直接貼られていました。

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もう少し、工夫して欲しいですね・・・

中に入ると、すぐに受付カウンターがあります。

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メッシュ天井ですが、違和感はありません。

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ホール正面に設置された建物案内板。

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恒例のトイレチェック!

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普通のトイレでした(笑)

便器は最新のもに更新されています。

ロッカールームは、物置き状態になっていました。

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1階の展示コーナーへ。

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「西堀榮三郎記念室」と書かれています。

施設は20年を経過しているので、展示自体は古い印象。

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マイナス25℃体験があったコーナーの受付。

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当時は沢山の人が並んでいたのですが・・・寂しい感じです。

当時の面影が少し残っていました。

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このオレンジの防寒着を着て、マイナス25℃を体験する仕組みでした。

冷蔵庫のような扉から中へ・・・

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企画展示室に改修されていると、書かれています。

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企画展開催中??どうみても常設展示ですね!

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空き部屋を、ただ展示室にしただけのスペースで残念・・・

もう少し、工夫して欲しいです!

気を取り戻して、2階へ上がってみます。

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「未来への挑戦」のパネルが、期待を持たせます。

壁面上部の、ハイサイド窓からの採光がイイ感じです!

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階段を上がった壁面には、靴のオブジェが付けられています。

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風除室の足形と関連させているのですね(驚)

なかなか、面白い演出です!

2階展示室全景。

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1フロアのシンプルな構成です。

屋根は、特殊なトラス構造となっています(驚)

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トラス端部のディテール。

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展示室の端部にあるのは、映像コーナーでしょうか?

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残念ながら使用されていないようです・・・

もっと、残念なことを発見!

以前は、日本を代表する探検家が紹介されていたのですが・・・

何故か、市内の企業紹介コーナーになっているではありませんか?

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探検家を紹介するプレートも・・・

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スチロール板で隠しているお粗末さ(怒)

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休日にも関わらず、来館者は私一人でした。

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企業の紹介パネルも、当然ながら誰も見ていません。

探検の殿堂と、一体どのような関係があるのでしょうか? 

見学する意欲を無くしてしまい、外に出ました。

施設の裏側にまわってみます・・・

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奥のスペースに展示された、大型雪上車・・・

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最後になりますが、沢山の来館者で賑わった施設・・・とは思えないほどの

荒廃りに、とても悲しくなりました。

今まで、かなりの年数を経過した資料館や博物館を幾つか見てきましたが、

これ程、運営面で工夫がなされていない施設は初めてです。

旧湖東町にあるのですが、東近江市と合併した結果、周辺地域が取り残さ

ているように思えてなりません。

「探検の殿堂」という立派なネーミングの施設なのですから、企業のPRより、

もっと子供に夢を与える運営を考えて欲しいと思いました。

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いつも、是非とものぞいて見て下さい・・・と締めくくるのですが、とても推薦

きる代物でないのが、とても残念です。

【設計データ】

設    計:上田篤都市計画研究所

所在地:滋賀県東近江市横溝町419番地

用    途:資料館

構    造:鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造

規    模:地上2階

竣    工:1994年8月

掲    載 :新建築1995年1月号