大和文華館

三陽アートギャラリー「ちらっとのぞいてきました」第72回目です。

弥生3月、暖かくなってきましたが、皆さん元気でお過ごしでしょうか?

今回ご紹介するのは、奈良市にあります、大和文華館(やまとぶんかかん)

です。

設計は吉田五十八氏。

五十八は(いそや)と読み、1894生まれの、昭和初期に活躍された建築家

です。

あまり聞き慣れない名前ですが、数寄屋建築を近代化した方で、大変有名

な建築家なんです! 

この大和文華館は、1960年(昭和35年)に開館した大変古い建物なので

が、2010年に大林組によって大規模耐震改修され、新しく生まれ変わり

ました。

京奈和自動車道・山田川ICから車で約20分ほど走った、閑静な住宅街に

「大和文華館」はあります。

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かなりゆったりした駐車場です・・・

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植栽が、ちゃんと手入れされているのが分かります。

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早速、建物を発見!

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大和文華館って、こんな建物だったかなぁ~?と思いつつ・・・

近寄って見ると、別の建物でした(笑)

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案内板には、「文華ホール」とありました。

解説を読むと、奈良ホテルのラウンジの一部を移築・・・と、書かれてあります。

何と、設計は「辰野金吾」ではありませんか!

正面から建物を臨む。

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かなり小さな入口です。

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欄間には、上品な装飾ガラスがありました。

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あっ、本題は大和文華館でしたね(笑

話題がずれてしまい、ごめんなさい・・・ 

入館料を払って、いざ敷地内へ。

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正面には、大きな案内板がありました。

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敷地の案内図ですね。

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庭園の中に、建物があるようです。

その下には、「文華苑はなごよみ 」と書かれたフラワーカレンダーがありま

した。

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季節に咲く花々を紹介しているのは、とても珍しいですね(驚)

緑に囲まれた、なだらかな坂を上っていきます。

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何やら、白い建物が見えてきました!

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正真正銘、大和文華館に辿り着きました(笑)

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漆喰の白と、海鼠(なまこ)壁の組み合わせは、とても綺麗です。

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良く見ると、海鼠壁風でした(笑)

普通は、平瓦を入れるのですが、ここはモザイクタイルが貼ってあります。

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タイルの色合いも絶妙です!

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驚くことに、部分的に穴が開けてあり、採光&通風を確保しています。

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吉田五十八氏のテクニックでしょうか?

水平に延びた、大きな庇。

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樋は無く、脚元には砂利を敷いて雨水を処理していますね。

庇を支持する梁が、良いアクセントとなっています。

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斜めから、玄関を臨む。

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少し小さめの正面玄関。

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早速、中に入ってみます。

エントランスホールの様子。

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入館して知ったのですが、館内は撮影禁止となっていました・・・(困)

せっかくなので、人目を盗んで撮影継続。ごめんなさい(笑)

展示室の様子。

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中心には、坪庭風の中庭があります。

「竹の庭」と呼ばれていて、イイ感じで竹が植えられています。

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展示室奥の休憩スペース。

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美術館創業者の銅像が、展示してあります。

休憩室前のバルコニー。

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外部には出ることができず、残念・・・

バルコニー越しに見えるのは、蛙股池。

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恒例のトイレチェック(笑)

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ブラウンを基調とした、高級感あふれる雰囲気です。

玄関脇には、ミュージアムショップが設けられていました。

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館内はこれ以上紹介できず、再び外部に出てみます。

前庭には、大きな「しだれ桜」がありました。

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こんなに近くに寄れます(驚)

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桜の咲く頃には、大変な人混みになるそうです。

建物裏に回ってみます。

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裏から見ると、海鼠壁の下部に石目調の壁があります。

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外壁のディテール。

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よく見ると、何とRC砕り仕上げになっていました!

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バルコニーは、かなり跳ね出しています(驚)

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手摺り壁の支柱は、プレキャストではなく、現場打ちです。

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凄い技術に脱帽。

正面に見えるのは、休憩スペースの窓。

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バックヤードへの見学者通路が無いのが、とても残念・・・

「文華苑はなごよみ」とあったように、敷地内には、本当に綺麗な木樹がたく

さんありました。

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きんかん?と思いきや・・・

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見た事ない実がなっています。

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案内板には「橘」と書かれてありました(驚)

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最後になりますが、吉田五十八氏の作品は如何でしたか?

昭和35年の作品とは思えない程の新鮮さに、正直感動しました。

建築後30年以上が経過した建築物を対象に、適切な維持保全や優れた

改修を行った物件が選ばれるBELCA賞を受賞しています。

まさに、スクラップ&ビルドから、建物を壊さずに上手に再利用する成功例

ですね。

文中でも紹介しましたが、これから「しだれ桜」が満開の時期を迎えます。

お花見を兼ねて、是非とものぞいてみて下さい。

【設計データ】

設    計:吉田五十八 (リニューアル:株式会社 大林組)

所在地:奈良県奈良市学園南1丁目11-6

用    途:美術館

構    造:鉄筋コンクリート造

規    模:地上2階 地下1階

竣    工:1960年10月 (リニューアル:2010年10月) 

掲   載 :新建築1961年1月号P13