オフィス・ビル
古いビル・オフィスビルをリノベーションするメリット
更新日 : 2024/08/01不動産の運用において、古くなった物件を「リノベーション」することは投資の成果を最大化するための選択肢の一つとして挙げられます。
本記事ではリノベーションについて、そもその意味や、単なる修繕・修理との違い、建て替えではなくあえてリノベーションをするメリット、逆にリノベーションの注意点について解説します。
ご所有の古いビルのリノベーションを検討している方、ビルの運用に関して課題をお持ちの方はぜひご覧ください。
Contents
リノベーションとは?
リノベーションは広義に「革新・刷新」を指します。英語でつづると「renovation」、すなわちRe(再び)Inovation(革新)することを意味するのです。
不動産業界においては既存の建物に対して大規模な改修を行い、機能やデザインを向上させることを指します。これは単なる修繕や修理とは異なり、建物を刷新して価値を向上させ、テナントの満足度を高めることを目的としています。
古いビル・オフィスビルをリノベーションするメリット
建物の価値を維持し、さらに高めるための方法として古いビル・オフィスビルをリノベーションするメリットについて詳しく解説します。
建て替えよりも費用を抑えられる
リノベーションは、新築や建て替えと比較して費用を大幅に抑えることができます。既存の構造を活かしつつ、必要な部分だけを改修することで、コスト効率を最大限に引き出せます。
建て替えに伴う解体費用や新たな建設費用を削減できるため、予算内でより多くの改修を行ったり、部分的に質にこだわったりすることが可能です。
設備交換により建物の寿命を伸ばせる
リノベーションの一環として、古くなった設備を新しいものに交換することで、建物の寿命を延ばすことができます。例えば、空調システムや電気配線、水道管などの設備を最新のものに更新することで、エネルギー効率が向上し、メンテナンスコストの削減も期待できます。これにより、建物全体の機能性と安全性が向上し、長期間にわたり安定した運用が可能となります。
収益の改善が期待できる
リノベーションを行うことで、建物の魅力が増し、新しいテナントを引き付けることができます。「リノベーション済」自体が一つの大きなセールスポイントにもなるため、適切にマーケティングをすることで良い条件での集客も可能です。
快適で機能的なオフィス空間を提供することで、テナントの満足度が向上し、高い賃料を設定することが可能になります。既存のテナントに対しても、新たな価値を提供することで、テナントの定着率が向上し、空室率の低減と収益の安定が期待できるでしょう。
リノベーションのデメリットや注意点
リノベーションは建物の価値を向上させる有効な手段ですが、同時にいくつかのデメリットや注意点も存在します。リノベーションを検討する際に考慮すべきポイントについて詳しく解説します。
予想外の出費が発生する可能性がある
リノベーションを進める中で、予期しない問題が発見されることがあります。例えば、建物内部の老朽化や隠れた損傷が工事中に明らかになることがあり、これに対処するための追加費用が発生する可能性があるのです。
旧耐震基準で建築されたビルの場合、耐震補強工事が奨励されることも想定されますが、時に膨大な追加コストとなりえます。建材にアスベストが使われている可能性がある場合、工事にあたって調査が必要となり、アスベストが検出された場合にはそちらの対策も義務です。
また、設計変更や素材の価格変動、工事中の既存のテナントや周辺とのトラブルも予想外のコストを引き起こす要因です。こうしたリスクを事前に見積もりに反映し、十分な予算を確保しておくことが重要と言えるでしょう。
既存の構造で制約が発生する可能性がある
リノベーションでは、既存の建物構造に基づいて改修を行うため、新築と比較して設計や施工において制約が生じることがあります。例えば、既存の壁や柱の配置により、希望するレイアウトが実現できないケースや、古い配管や配線の再配置が難しいといったケースです。そのため、当初想定していた理想的なデザインや機能を完全に実現することが難しくなることがあります。
新築ほどの宣伝効果はない
リノベーションされた建物は、一定のブランド力を持ちますが、新築ほどに大きな宣伝効果を期待することが難しい場合があります。新築物件は市場での注目を集めやすく、ブランドイメージの向上や高い賃料設定につながりやすいです。
しかし、リノベーション物件は既存のイメージが影響するため、新築と同じような訴求力を持たないことがあります。このため、マーケティング戦略を工夫し、リノベーションによる改善点や魅力を効果的にアピールすることが重要です。
ビル・オフィスビルのリノベーションの流れ
ビルやオフィスビルのリノベーションは、計画から完成まで多くのステップを経て行われます。以下では、リノベーションの一般的な流れについて解説します。
1.概算費用の想定
まず、大まかにリノベーションの計画を行い、一般的な工数で見積もった場合の概算費用を算出します。この時点では金額や計画が大幅に変わる可能性もあるため、概算で構いません。
概算費用の想定はプロの業者に依頼し、無料で実施してもらうことが可能です。
2.事前調査
概算費用を算出後、建て替えのための事前調査を行います。物件の建築時期によっては朝生ベスト調査が義務化されます。旧耐震基準で建てられているビルは、耐震診断を実施した方がよいでしょう。
こういった事前調査には、専門の業者が必要であるため、この時点からコストが発生します。
3.計画策定とデザイン
事前調査結果も踏まえて、リノベーションの計画を策定します。設計者や建築士と協力し、建物のレイアウトやデザイン、使用する素材や設備などを決定します。この段階で詳細な設計図や正確な予算を作成し、必要な許認可を取得します。また、テナントとの調整や周辺環境への影響も考慮する必要があります。
4. 施工準備と工事開始
施工準備では、リノベーションに必要な資材や設備の手配、工事スケジュールの確定、施工業者の選定を行います。また、工事開始前にはテナントへの通知や移転の手配なども行います。施工が開始されると、現場監督や施工管理者が進捗を管理し、品質を確保します。
5. 工事進行と監視
工事が進行する中で、計画通りに作業が進んでいるかを継続的に監視します。定期的な進捗報告や現場視察を行い、問題が発生した場合には迅速に対応することが重要です。また、設計変更や追加工事が必要な場合は、事前に承認を得て進めます。
6. 完成と引き渡し
工事が完了したら、最終検査を行い、品質や安全性を確認します。問題がなければ、建物をオーナーに引き渡され、工事が完了です。引き渡し後には、テナントが新しい環境でスムーズに業務を開始できるよう、必要なサポートを提供します。また、リノベーションの成果を評価し、今後の改善点を洗い出すことも重要です。
まとめ
古いビル・オフィスビルのリノベーションについて解説しました。単なる修理・改修に留まらないリノベーションは物件に新たな価値を生み出し、収益を最大化しうるものです。
物件の状況によっては耐震補強工事やアスベスト対策など、予想外の費用が発生するケースもありますが、資産であるビルを安全かつ長期に運用していくにあたっては、それも必要なプロセスと言えるでしょう。
ぜひ、今回の内容も参考にビルのリノベーションについて検討してみてください。
三陽建設ではビルやオフィスの施工の実績が豊富にあり、これまでのノウハウを活かして細部まで丁寧な施工が可能です。
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