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工場のクリーンルームとは?業者ごとに求められる清浄クラスについても解説

更新日 : 2024/01/10
工場のクリーンルームとは?業者ごとに求められる清浄クラスについても解説

クリーンルームとは、目に見えないようなほこりやゴミの混入を防ぐための部屋です。精密機器や食品、化粧品など、製造工程において菌を付着させない目的で、クリーンルームは使われています。

なお、製造する物に応じて、クリーンルームのクラスはいくつかの種類に分けられています。本記事では、クリーンルームの規格や、業種ごとに求められる清浄クラスなどについて解説していきます。

製造工場や病院などでクリーンルームの設置を検討している担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

クリーンルームとは?

クリーンルームとは、目に見えないレベルの細菌やほこりなどを入り込ませない部屋です。精密機器や食品、医薬品などを製造する際、製品に細菌やほこりが付着しないようにすることを目的として設置します。

クリーンルームでは、一般家庭に置いてあるような空気清浄機で取り除けない細菌やほこりをも取り除かなくてはなりません。外部からほこりが入り込んだり、作業員の汗が製品に付着したりしないよう、室内の気圧制御や温湿度管理も徹底しています。

菌やホコリの付着が許されない製品を扱う工場や病院などでは、クリーンルームの必要性は非常に高いでしょう。

クリーンルームの概要・定義についてより詳しくは、「クリーンルームの必要性とは?クリーンルームが必要な業種とその理由、設置時のポイントなど」をご覧ください。

クリーンルームの規格に応じたクラスとは?

クリーンルームは、用途に応じてクラスが分かれています。クラスとは、清浄度を意味するものです。一般的には、空気中に含まれる粒子の大きさと濃度を基準として分けられています。

クリーンルームのクラスを知るには、クリーンルームの3つの規格(FED、ISO、JIS)を理解しましょう。以前は、FED規格が主流でしたが、2001年にISO規格に統一されました。日本の規格であるJISも、基本的にISOと整合を図っています。

それぞれの概要と算出方法は次のとおりです。

  • FED(Fed.Std.209D)

FEDは米国連邦規格です。1ft³の空気中に存在する粒径0.5μm以上の粒子個数濃度をクラス上限値として分類します。

  • ISO(ISO 14644-1)、JIS(JIS B 9920)

ISO、JISではともに、1㎥の空気中に存在する粒径0.1μm以上の粒子個数濃度を、10のべき乗で表したときの指数として分類します。

<クリーンルームの清浄度クラス>

清浄度クラス 上限濃度(個/㎥)
ISO 14644-1 JIS対象粒径範囲(μm) 米国連邦規格Fed-Std.209D 測定粒径
0.1μm 0.2μm 0.3μm 0.5μm 1.0μm 5.0μm
クラス1 0.1~0.3 10 2
クラス2 0.1~0.3 100 24 10 4
クラス3 0.1~0.5 クラス1 1,000 237 102 35 8
クラス4 0.1~0.5 クラス10 10,000 2,370 1,020 352 83
クラス5 0.1~5 クラス100 100,000 23,700 10,200 3,520 832 29
クラス6 0.3~5 クラス1,000 1,000,000 237,000 102,000 35,200 8,320 293
クラス7 0.3~5 クラス10,000 352,000 83,200 2,930
クラス8 0.3~5 クラス100,000 3,520,000 832,000 29,300
クラス9 35,200,000 8,320,000 293,000

数字が小さいほど、清浄度が高い清浄空間となります。つまり、ISOとFEDでいえば「クラス1」、JISだと「0.1~0.3」です。ISOのクラス3、FEDのクラス1が求められるクリーンルームは、かなり精密な機械の製造を行う工場と考えてよいでしょう。

業種ごとに必要なクリーンルームの清浄度クラス

クリーンルームは大きく分けて、インダストリアルクリーンルーム(ICR)とバイオロジカルクリーンルーム(BCR)の2つに分類されます。

ICRは、半導体や液晶、精密機械など工業用に利用されるクリーンルームです。一方のBCRは、食品・医薬品・化粧品の製造や病院の手術室などに利用されるクリーンルームを指します。

ここでは、ICR、BCRに分けて主な業種で求められる清浄度クラスを「ISO14644-1」のクラスに当てはめて解説します。

なお、ここで紹介する清浄度クラスは一般的なものです。製造する物によっては、より高い清浄度が必要とされるでしょう。もしくは、それほど高い清浄度でなくても問題ない場合もあります。

実際にクリーンルームを設置する際は、ここで紹介する清浄度は目安程度に考えて、施工業者に確認したうえで判断しましょう。

ICRで求められる清浄度クラス

ICRとは、インダストリアルクリーンルーム(工業用のクリーンルーム)のことです。半導体や精密機械を製造する工場で使われるクリーンルームと考えましょう。

それぞれの製品を製造するにあたり、必要な清浄度クラスは以下のとおりです。

  • 半導体 基板工程 クラス3~5

半導体のなかでも、集積回路やエッチング・蒸着・研磨などの基盤工程の作業では、ハイレベルな塵埃対策が求められます。そのため、クラス3~5の清浄度は必須です。

  • 半導体 組立工程 クラス6~9

同じ半導体でも、基盤工程でないだけで求められる清浄度も少し下がります。組立工程ならクラス6~9であれば問題ないでしょう。

  • 精密機械 組立工程 クラス6~8

時計やベアリングといった精密機械の組立に求められるクラスです。加工・製造工程ではクラス5~6が求められる場合もあります。

  • 光学機器 クラス5~7

カメラや望遠鏡などのレンズ、レーザーなどの高精度製品生産、品質管理にもクラス5~7が必須です。

  • 電子部品 クラス5~7

プリント基板やディスク・コンデンサなどの生産や品質管理にはクラス5~7が求められま
す。

  • 自動車部品 クラス6~8

自動車部品の製造工程における鉄粉、鉄の焦げ、くずなどの対策としてクラス6~8が求められます。

  • 印刷 クラス6~8

印刷工場では、印刷物の仕上がりの向上や品質管理を目的として、クラス6~8の清浄度が求められます。

BCR(バイオロジカルクリーンルーム)で求められる清浄度クラス(ISO 14644-1のクラス)

BCR(バイオロジカルクリーンルーム)とは、空気中にある浮遊微生物や菌などを制御・管理するためのクリーンルームです。

食品や医薬品、化粧品を製造する工場で使用されると考えましょう。それぞれの製品を製造するにあたり、必要な清浄度クラスは以下のとおりです。

  • 食品 クラス6~8

ハムやソーセージ、かまぼこなどの食肉・魚肉加工の冷却や梱包はクラス6~7。加工はクラス7~8です。

豆腐や納豆、弁当などの調理食材・惣菜、食パンやカステラ、インスタントラーメンなどの製パン・製麺なども、冷却や梱包はクラス6~7、加工はクラス7~8が求められます。

  • 医薬品 クラス5~8

医薬品の製造において求められるのは、無菌室でクラス5、製薬工程でクラス5~8です。

また、GMPにおいては、清浄度のエリア分類がグレードA~Dまで定められています。
GMPとは、医薬品や医薬部外品における、製造管理と品質管理の基準のことです。

GMPについてより詳しくは、「GMPとは?―GMPの意味やGMP省令の改正点などについても解説」をご覧ください。

  • 化粧品 クラス6~8

化粧品製造に求められる清浄度はクラス6~8です。化粧品の製造にクリーンルームが必要な理由は、髪の毛やホコリなどが混入することを防ぐためです。

高品質な化粧品を製造するには、クリーンルーム内での作業は必須でしょう。

  • 病院の手術室・検査室など クラス6~8

病院のなかでも、手術室やICU、検査室などでは空気感染対策、患者や医者の保護を目的にクラス6~8の清浄度が求められます。

  • きのこ栽培 クラス5~8

きのこについては、種菌にはクラス5~6、栽培にはクラス7~8が求められます。キノコ栽培においてクリーンルームが必要な理由は、雑菌を混入させないためです。

クリーンルームの建設は実績豊富な業者に依頼するのがおすすめ

クリーンルームとは、小さなほこりや細菌など、製品の製造を妨げる不純物を混入させないための部屋です。半導体や精密機械、食品、医薬品などを製造する工場には欠かせない部屋だと言えます。

クリーンルームには「FED」「ISO」「JIS」と、3つの規格があります。そして、それぞれに清浄度クラスが設けられているのです。製造する物によって、求められる清浄度は異なります。そのため、製造する製品に合ったクラスのクリーンルームを設置しなければなりません。

クリーンルームには厳格な設計・施工が求められるため、多くの施工実績がある業者に依頼するのがおすすめです。三陽建設には、豊富なクリーンルーム施工実績があります。

数々の施工経験から得たノウハウを最大限に活かし、各業種に求められるクラスのクリーンルーム施工が可能です。

三陽建設では、お客様の要望に応じてさまざまな備えのあるクリーンルームを施工します。不安や疑問がある方は、気軽にお問合せください。

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