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自動倉庫とは?自動化させるメリットとデメリット

更新日 : 2023/12/26
自動倉庫とは?自動化させるメリットとデメリット

物流業界の中でも、倉庫は商品の保管、梱包、搬出の重要な役割を担いますが、倉庫内の業務には多くの工程がかかり、その分人の手を必要とします。

作業者の人件費がかかることに加え、労働人口が減少する中、人手の確保に課題を抱える企業様も少なくありません。

そのような課題の解決策として注目されているのが、倉庫の自動化。倉庫業務を自動化することにより、生産性の向上や人件費、採用の課題の解決が期待できるのです。

本記事では、自動倉庫について代表的な種類や特徴、倉庫自動化のメリット・デメリットについて解説します。

自動倉庫の概要を知りたい方、自社の倉庫の自動化を検討されている方はぜひご一読ください。

自動倉庫とは?代表的な種類や導入事例を解説

自動倉庫とは、機械やシステム、AIの活用によって従来人の手で行っていた業務を自動化した倉庫のことです。

倉庫内では商品の搬入から陳列、ピッキングから梱包、搬出まで様々な工程を必要とします。各作業には従来人手を必要としていましたが、自動倉庫では倉庫業務の中の一部または全部の業務を自動化し、人の関与を最低限に減らしているのです。

自動倉庫にはいくつかの種類があり、業種や業務体制によって最適な選択肢は異なります。代表的な自動倉庫について、特徴とともに解説します。

パレット自動倉庫

パレット型自動倉庫とは、パレット単位で商品を保管するユニット型の自動倉庫のことです。高さのあるラックでの保管も容易であるため、スペースを効率的に活用することができます。システムを用いた入出庫を含めた商品の管理が容易なため、幅広い業種で用いられている自動倉庫です。

バケット自動倉庫

バケット自動倉庫は、商品をバケット単位で小分けし、保管するタイプの自動倉庫です。小さな商品を取り扱うことに適しており、スペースを効率良く使える点がメリットとして挙げられます。また、構造がシンプルで管理、運用に高いオペレーション能力を必要としないところも大きなメリットです。

フリーサイズ型(シャトル型)自動倉庫

フリーサイズ型(シャトル型)自動倉庫は形やサイズが均一でない商品を一括で管理できる、フレキシブルな自動倉庫です。

扱う商品の種類が多い倉庫において特に有効活用でき、オペレーションによる活用の自由度が高いのが特徴です。

移動棚式自動倉庫

移動棚方自動倉庫とは、商品を保管する棚自体をシステムにより移動させられるタイプの自動倉庫です。

従来必要であったピッキングのための通路も保管スペースとして有効活用ができます。操作性がシンプルで、倉庫の運用も比較的容易です。

縦型式回転棚自動倉庫

縦型回転棚自動倉庫は縦型式回転棚を活用することで天井のデッドスペースを活用して商品を収納する自動倉庫です。

商品の積み替えや移動も容易で作業しやすいこともメリットとして挙げられます。

自動倉庫のメリット

自動倉庫は生産性やコスト面、業務品質の安定面からも大きなメリットがあります。具体的なメリットについて見ていきましょう。

生産性の向上

自動倉庫においてはピッキングや梱包などの業務はシステムに基づいて機械が実施します。そのため、作業員のパフォーマンスに生産性が左右されることはありません。常に安定した速度で長時間稼働させ続けることができるため、各工程の生産性向上に直結します。

特に、冷蔵倉庫・冷凍倉庫については人の手では長時間の作業が難しい場合もあるため、大きなパフォーマンス改善が期待できるかもしれません。

人件費の削減

自動倉庫では各作業工程において人手を減らすことができるため、人件費の削減に直結します。また、倉庫を夜間もさせる場合、作業員は二交代制、三交代制でシフトを組まなければなりません。そのため、採用コストもかかり、スケジュール調整の工数もかかります。

自動倉庫であれば、作業員の残業代や労働時間を気にすることもなく、少ないオペレーション要員のみで24時間稼働することが可能です。

省スペース化

機械やシステムで作動する自動倉庫においては、作業員の業務効率を考慮する必要がありません。例えば、人の手では届きにくい高さの棚にも商品を並べることが可能です。また、ピッキングする商品を人が目視しやすいよう、あえて非効率な並べ方をする必要もありません。

ピッキング業務の自動化により、これまで有効活用できていなかったスペースも効率的に活用できるようになります。

業務品質の向上

自動倉庫においては機械やシステム、AIによってピッキング、梱包、発送などの業務が実施されます。そのため、ピッキングの誤りによる商品の取り違え、梱包ミスによる製品の破損といったヒューマンエラーを回避することができるのです。

商品の取り違え、破損は返金や交換などリカバリーのコストも高いため、ヒューマンエラー防止のメリットは大きいといえるでしょう。

自動倉庫のデメリット

様々なメリットが期待できる自動倉庫ですが、デメリットとして初期にかかる様々なコストや不具合のリスクが挙げられます。

詳しくみていきましょう。

導入にコストがかかる

長期的に生産性の向上や人件費の削減に繋がる自動倉庫ですが、導入には大きなコストがかかります。機器の導入費用やシステムの開発費用がかかり、自動化に伴い設備や建物の改修が必要な場合、その費用も考慮しなければなりません。

自動倉庫の導入の可否は、初期費用の回収にどの程度の期間が必要かも考慮しつつ、慎重に判断する必要があるのです。

なお、自動倉庫の導入には補助金を活用できるケースがあります。補助金を活用できると、初期費用の負担を大きく軽減できるため、ぜひ併せてご確認ください。

補助金の活用については下記の記事で詳しくまとめています。

従業員の教育にコストがかかる

長期的には人件費の削減につながる自動倉庫ですが、導入初期には従業員の教育コストがかかります。自動化倉庫を導入することで、倉庫内の従業員の役割や求められるオペレーションは大きく変わります。そのため、新たな体制に対応するための教育コストがかかるのです。

自動倉庫そのものの導入コストに加えて教育コストも初期費用として考慮しなければなりません。

システムエラー・障害のリスクがある

自動倉庫はヒューマンエラーを減らし、業務品質が安定する一方でシステムエラーや機械の故障などの障害のリスクがあります。システムや機械障害といった不具合は倉庫全体の稼働にも影響を与えかねません。

不具合が長期復旧できない場合取引先からの損害賠償のリスクも発生します。不具合時の対応についても、速やかに対応できるよう行動指針をあらかじめ定めておくことがおすすめです。

自動倉庫の導入手順

倉庫の自動化を検討し、実際の導入するにあたっての手順の例を解説します。あくまで一般的な流れでなので、参考としてご確認ください。

  1. 既存の業務課題の洗い出し:既存の倉庫内の業務の課題について整理し、解決策として自動化が適切であるか検討します。
  2. 自動化する形式の検討:倉庫を自動化するにあたって、倉庫の形式の検討を行います。自社の業務の流れや既存の設備の構造などを考慮しながら最適な方法を選択しましょう。
  3. 導入効果とコストの比較検討:先述の通り、倉庫の自動化には少なからずイニシャルコストがかかります。トラブル対応の体制構築も含めてコストを算出し、導入にすべきか改めて意思決定を行いましょう。
  4. 導入および効果検証:実際にシステムや機械を選定し、導入を実施。その後効果検証を行います。切り分けが可能であれば、業務の全てではなく一部に自動化を実施し、本格導入前の効果検証を行うのもおすすめです。

まとめ

自動倉庫について、代表的な種類やメリット、デメリットについて解説しました。

倉庫の自動化は業務の効率化、業務品質の安定化に加え、人員に関わる人件費や採用の課題などを解決します。

導入のコストや障害時の対応といった課題はあるものの、費用と導入効果を比較し、採算が取れる可能性が高い場合は積極的に検討したい手法と言えるでしょう。

今回紹介した内容も参考に、自社に最適な自動倉庫の導入を検討してみてください。

三陽建設では自動倉庫の建設、物流倉庫の建設の実績が多数ございます。倉庫の種類に応じて最適な設計をご提案しますので、倉庫の新規建築をご検討の場合はお気軽にご相談ください。

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