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危険物屋内貯蔵所とは?屋内タンク貯蔵所との違いを解説

更新日 : 2024/06/12
危険物屋内貯蔵所とは?屋内タンク貯蔵所との違いを解説

危険物の取り扱いは、自社だけでなく周辺にも時に重大な悪影響を及ぼしかねないことから、極めて高い水準での安全性の担保が求められます。危険物取扱設備の一つである「危険物屋内貯蔵庫」も例外ではありません。

本記事では危険物屋内貯蔵所について、屋内タンク貯蔵所との違いも含めて解説し、講じるべき安全策やその基準値について解説します。

危険物を取り扱う設備の管理者様、これから危険物屋内貯蔵所の新設を行うご担当者様はぜひご一読ください。

危険物屋内貯蔵所とは?

危険物の安全な保管と管理は、産業安全において重要な要素です。危険物屋内貯蔵所は、特定の危険物を安全に保管するために特別に設計された施設です。まずは危険物屋内貯蔵所の目的、屋内タンク貯蔵所との違い、および関連する法律・規制について説明します。

危険物屋内貯蔵所の目的

危険物屋内貯蔵所の主な目的は、危険物を安全に保管し、火災や爆発、化学的反応などのリスクを最小限に抑えることです。具体的には、火災からの保護、漏洩時の被害最小化、作業員の安全確保などが含まれます。

危険物屋内貯蔵庫は適切な換気設備、耐火構造、漏洩検知システムなどの多くの安全に関する措置を要求されます。

屋内タンク貯蔵所との違い

屋内タンク貯蔵所も危険物を保管するための施設ですが、主に大量の液体やガスを長期間保管するために使用されます。

対して、危険物屋内貯蔵所は、固体や小包装の液体、ガスが保管されることが多く、容量や保管方法が異なります。屋内貯蔵所は、より多様な形態の危険物に柔軟に対応可能な設計であることが特徴です。

関連する法律・規制

危険物屋内貯蔵所の設計と運用は、国や地域によって異なる複数の法律や規制に基づいています。これには、火災予防、労働安全衛生、環境保護が含まれます。

具体的な法律には、一例として火災予防法、労働安全衛生法、化学物質の管理に関する法律などがあり、これらは危険物の種類や量に応じて具体的な規制基準を定めています。遵守が求められる主要なポイントとしては適切な警報・消火システムの設置、定期的な安全検査、事故発生時の対応計画の策定などが挙げられます。

危険物屋内貯蔵所の基準

危険物を安全に保管するためには、屋内貯蔵所に対する厳格な基準が設けられています。これらの基準は、構造的および設備的な要件があり、危険物の種類や性質に応じて異なります。危険物屋内貯蔵所で必要とされる主な構造的および設備的基準について詳しく説明します。

構造的基準

危険物屋内貯蔵所の構造的基準は、施設の安全性を最大限に保証するために設計されています。主な基準は以下の通りです。

  1. 耐火性能: 建物は耐火材料で構築され、火災が発生した場合に危険物の燃焼や爆発を遅らせる設計が求められます。
  2. 防爆設計: 特定の危険物については、爆発のリスクを考慮し、防爆設計が必須となります。壁や扉、窓への対策などが含まれます。
  3. 隔壁の設置: 異なる種類の危険物を分けて保管するために、防火壁や防爆壁で区切ることが推奨されます。
  4. アクセス制御: 不正アクセスを防ぐために、セキュリティシステムや適切な施錠システムが設置される必要があります。

設備的基準

危険物屋内貯蔵所には、特定の設備的要件も求められます。これらは以下のような設備を含みます:

  1. 換気システム: 高効率の換気システムが必要とされ、有害ガスや蒸気の蓄積を防ぐために、常に空気が循環するように設計されています。
  2. 漏洩検出器: 危険物の漏洩を迅速に検出するためのセンサーが設置され、即座に警報を発するシステムが必要です。
  3. 消火設備: 自動スプリンクラーシステムや手動消火器など、迅速かつ効果的に火災に対処できる消火設備が装備されていることが求められます。
  4. 非常照明と標識: 非常時に安全な避難を促すために、非常照明と明確な安全標識が必要です。

危険物貯蔵所の保有空地については「危険物貯蔵所に必要な保有空地とは?保有空地の意味や目的、測定方法など」をご参考ください。

危険物屋内貯蔵所で必須となる安全管理と事故防止策

危険物屋内貯蔵所では、火災や爆発、化学物質漏れなどの重大な事故を防止するために厳格な安全管理が求められます。事故を予防し、万一の緊急事態に備えるための重要な対策について見ていきましょう。

危険物の取扱いと保管プロトコル

危険物の取扱いと保管に関してのルール決めがまず重要です。

  1. 適切な分類とラベリング:すべての危険物は、その化学的特性とリスクに基づいて正確に分類され、適切にラベル付けされるべきです。これにより、危険物の取り扱い時の誤解を防ぎます。
  2. 専用の保管エリア:異なる種類の危険物は反応を起こす可能性があるため、相互作用を避けるために別々に保管する必要があります。
  3. アクセス制限:不正アクセスを防ぐため、保管エリアは特定の訓練を受けたスタッフのみがアクセスできるよう制限されるべきです。

定期的な安全監査とリスク評価

定めたルールが遵守されているか、定期的に監査を行うことで安全性が維持されているかを確認できます。

  1. 定期的な監査:専門家による定期的な安全監査を行い、危険物の保管と取り扱いに関するプロトコルが適切に守られているか確認します。
  2. リスク評価の更新:新しい危険物の導入や運用変更があった場合は、リスク評価を更新し、必要な安全対策を再評価します。

緊急時対応計画と事故報告手順

事故を防ぐことがまず重要ですが、発生した際や報告に関する計画も重要です。

  1. 緊急時対応計画の策定:火災、化学漏れ、その他の緊急事態に対応するための詳細な計画を策定し、全従業員がそれを理解していることが必要です。
  2. 事故報告のプロトコル:事故が発生した際には、直ちに適切な当局へ報告し、内部の事故報告手順に従います。

従業員の安全教育と訓練

上記の運用を徹底させるためには従業員の安全教育と訓練も欠かせません。

  1. 初期および継続的な訓練:新入従業員には入社時の安全訓練を行い、すべての従業員に対して定期的な再訓練を提供します。
  2. シミュレーションとドリル:緊急時の避難ドリルや事故対応のシミュレーションを定期的に行うことで、実際の事故発生時に迅速かつ効果的に対応できるようにします。

危険物屋内貯蔵所に求められるその他の重要なポイント

危険物屋内貯蔵所の運営においては、安全性だけでなく環境への配慮や持続可能性も重要です。これらの側面が考慮されることで、環境保護および企業の社会的責任が強化されます。環境への配慮と持続可能性の観点から必要なポイントを解説します。

環境への配慮

危険物屋内貯蔵所では、以下のような環境保護措置を講じることが望まれます。

  1. 汚染防止策:地下水や土壌への汚染を防ぐため、漏れ防止措置として二重壁のタンクや防漏トレイを設置します。
  2. 廃棄物の適切な処理:使用済みの容器や危険物の廃棄物は、環境に悪影響を与えないように適切に処理またはリサイクルされるべきです。
  3. 排出物の管理:大気への有害物質排出を防ぐために、適切なフィルターシステムや処理設備を使用します。

持続可能性

危険物の保管における持続可能性の推進には以下のようなアプローチが求められます。

  1. エネルギー効率の向上:建物の設計において自然光の利用を最大化し、エネルギー効率の高い照明や機械を使用します。
  2. リソースの再利用とリサイクル:可能な限りリサイクル可能な材料を使用し、危険物の容器や包装材を再利用します。
  3. 持続可能な資源の使用:環境への影響が少ない、持続可能な資源から作られた製品や材料を使用することで、全体の環境負荷を低減します。

まとめ

危険物屋内貯蔵所について解説しました。危険物屋内貯蔵所は運用を誤ると工場の設備だけでなく、周辺や環境全体にも大きな影響を及ぼしかねません。

そのため、安全には細心の注意を払い、厳格な運用体制づくりを行う必要があります。今回解説した内容を参考に、危険物屋内貯蔵所の設計及び運用を実践してみてください。

三陽建設は倉庫の建設に豊富な実績を持ち、危険物倉庫について専門的な知識を有しています。そのため危険物を貯蔵するための倉庫建設についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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