コラム

column

工場

工場で実施すべき防犯対策とは?盗難が発生するケースを知って対策しよう

更新日 : 2025/01/15
工場で実施すべき防犯対策とは?盗難が発生するケースを知って対策しよう

工場を経営する中で、見落としてはならないリスクとして「盗難」があります。工場は高価な什器をはじめ盗難の対象となるものが多く、また環境的に侵入がしやすいとも言えます。盗難被害は工場の稼働や従業員の士気に多大な悪影響をおよぼしかねません。

本記事では工場で実施すべき防犯対策について、盗難が発生する原因や盗難に遭いやすい対象物なども解説しながら具体的なアプローチを提案します。工場の盗難対策に課題をお持ちのご担当者様はぜひご一読ください。

工場で盗難が発生する原因

工場はその構造や性質、立地などの要因から比較的盗難の被害を受けやすい建物と言えます。まず具体的にどのような要因で工場の盗難発生率が高まるのか、理由や具体例とともに見ていきましょう。

防犯設備の不足

防犯設備の整備が十分でない場合があります。例えば監視カメラやアラームシステムが未設置、または適切に運用されていない状況は、盗難の絶好の機会と言えるでしょう。また、工場敷地の広さに比べてカメラの設置台数が不足している、あるいは録画機能が劣化している場合、不審者が侵入しても確認が難しいという問題が生じます。このような防犯設備の不足は、盗難リスクを高める大きな要因です。

人の出入りが多い環境

工場は、従業員だけでなく外部業者や訪問者など、多くの人が出入りする環境です。そのため、窃盗を目的とした不審者の紛れ込みも難しくはありません。来訪者の身元確認が不十分だったり、従業員専用の出入口が適切に管理されていなかったりすると、不正侵入が発生するリスクが高まります。特に忙しい業務時間帯には、出入りする人物を全て監視することが難しくなるため、防犯体制が緩むことがあります。

周辺地域の治安状況

工場の立地条件も盗難リスクに大きく影響します。たとえば、工場が犯罪率の高い地域に位置している場合、敷地内への不審者の侵入リスクが増加します。また、周辺地域に防犯意識が低い環境がある場合、不審者が容易に接近できる可能性が高くなります。このような状況では、工場単独での対策が難しい場合も多く、地域全体での治安改善が求められます。

夜間・休日の管理体制の甘さ

夜間や休日は、工場内に人がいない、または極端に少ない状況も珍しくありません。このため、不審者が行動しやすい時間帯と言えるでしょう。たとえば、夜間の警備員が巡回を十分に行わない場合や、休日に敷地全体の施錠が不完全である場合、侵入や盗難が発生しやすくなります。さらに、夜間照明が不十分なエリアがあると、不審者の活動が発見されにくくなるという問題もあります。

工場で盗難されやすい対象物

工場が盗難の被害に遭いやすい理由として、窃盗犯の視点で魅力的な対象物が多岐にわたることが挙げられます。具体的にどのような対象物が狙われやすいか、解説します。

高価な機械や工具

工場で使用される特殊な機械や工具は、非常に高価であるため、盗難のターゲットになりやすいです。これらの機械や工具はそのまま転売が可能であるほか、分解して部品として販売しても価値を持つため窃盗犯にとって魅力的な対象物と言えます。

材料や製品(特に金属や電子部品)

金属や電子部品などの材料や製品は、そのサイズや重量にかかわらず、持ち運びが比較的簡単であるため盗難されやすい対象です。特に、銅やアルミニウムなどの金属素材は、リサイクル市場で高値で取引されることから、不審者の狙い目になります。

従業員の私物や現金

工場内のロッカールームや休憩室に保管されている従業員の私物や現金も、盗難の被害に遭いやすいです。特に、セキュリティ対策が不十分な場合、盗難が発生すると従業員の士気に悪影響を及ぼす可能性があります。

IT機器やデータ

近年、工場におけるIT機器やデータの盗難が増加しています。ノートパソコンやタブレット、サーバーなどの機器が盗まれると、顧客情報や機密情報の漏洩のリスクが高まり、損失は計り知れないものとなりかねません。また、顧客情報や技術データなど、機密性の高いデータが流出した場合、経営上の大きな損害を被る可能性があります。

金属や電線

見落とされがちなポイントとして工場では配線やケーブルに使用される金属が盗まれるケースが多発しています。銅線や電線はスクラップとして高価で売買されることが多いため、狙われやすいのです。これらの資材が盗難されると、工場の稼働に大きな支障をきたすだけでなく、復旧に多額の費用と時間を要します。

工場の防犯対策:具体的な解決方法

工場の防犯対策

工場で取れる具体的な防犯対策は工場の性質や設備などによっても異なります。そのため、各工場で現実的かつ有効な施策を実施する必要があるのです。複数の観点から防犯対策について具体例を挙げながら解説します。

防犯設備の強化

防犯設備の導入は、工場の安全性を高めるための基本的な対策です。監視カメラの設置は、侵入時の証拠としても活用できるだけでなく不審者の侵入を抑止する効果もあります。広い敷地を持つ工場では、高画質で広範囲をカバーできるカメラを複数設置することが推奨されます。

また、防犯アラームシステムを導入することで、異常が発生した際に即座に警報を発する仕組みを整えることが可能です。さらに、夜間においてはセンサーライトや暗視カメラを活用することで、視認性を向上させ、不審者の行動を制限する効果があります。

入退室管理の徹底

工場への出入りを厳格に管理することは、防犯対策において重要な役割を果たします。従業員や訪問者にICカードや生体認証を用いたアクセス制御システムを導入することで、不正侵入を防ぐことができます。さらに、工場の出入口やゲートの施錠を徹底し、開閉時間を制限することで、セキュリティに強化できます。これにより、工場内部への不要なアクセスを最小限に抑えることが可能です。

人的管理の強化

人的管理を強化することで、設備だけではカバーしきれない防犯対策を補完することができます。警備員を配置し、夜間や休日に巡回を行うことで、不審な行動を早期に発見することが可能です。また、従業員に対して防犯意識を高めるための教育や訓練を実施することで、内部からの盗難リスクを減少させる効果が期待できます。さらに、訪問者の記録を詳細に管理し、工場内での行動を追跡できる体制を整えることも効果的です。

敷地全体のセキュリティ強化

敷地全体のセキュリティを強化することで、外部からの侵入を物理的に防止することが可能です。フェンスやバリケードを敷地の周囲に設置し、不審者が近づきにくい環境を作ります。また、駐車場や出入口に監視カメラを設置し、車両の動きを管理することで、不審車両の侵入を防ぎます。

高価な設備や資材を外部から見えにくい場所に配置することで、狙われるリスクを低減させることも対策の一つです。

防犯対策を行う際注意すべきポイント

防犯対策には先述の通り複数のアプローチ方法が考えられますが、自社で導入するにあたって注意すべきポイントがあります。特に重要なポイントについて、考慮すべき視点も交えながら解説します。

費用対効果

防犯対策を導入する際には、その費用対効果を慎重に検討する必要があります。高価な設備を導入した場合でも、実際の盗難リスクが低い環境では過剰投資となる可能性があります。一方で、費用を抑えた対策が十分な防犯効果を発揮しない場合、盗難被害による損失が大きくなるリスクもあります。そのため、防犯対策の費用と、それにより得られる安全性や安心感のバランスを取ることが重要です。

たとえば、監視カメラやアラームシステムなど、比較的コストパフォーマンスの良い設備から導入を始め、必要に応じて追加の対策を検討する段階的なアプローチが有効です。

運用工数や従業員への負担

防犯対策を導入する際には、それを日常的に運用するための工数や従業員への負担も考慮する必要があります。たとえば、ICカードによる入退室管理システムを導入した場合、カードの発行や管理、紛失時の対応といった運用上の負担が発生します。また、防犯カメラの定期的なメンテナンスや録画データの確認作業も、従業員の業務負担を増やす可能性があります。

運用の負担が過剰になると、防犯対策そのものが形骸化し、十分な効果を発揮できなくなることがあります。そのため、運用の効率化を図る仕組みや、従業員の負担を軽減する工夫を取り入れることが重要です。

まとめ

工場で実施すべき防犯対策について解説しました。工場は比較的侵入が容易であり、かつ盗難の対象物として魅力的な物品も数多くあります。工場の安定稼働や従業員の士気を守り、経営を安定させていくためには、適切な盗難対策が不可欠です。

今回の記事も参考に、改めて自社の盗難対策の弱点や重点的にセキュリティを強化すべきポイントなどを抽出し、有効な盗難対策を検討してみてください。

三陽建設では、倉庫・工場の改修工事において豊富な実績があります。リニューアル専門部隊を整え、一貫したサポートでお客様にご満足いただけることを約束いたします。防犯対策のための改修工事やメンテナンス、修繕に関することならお気軽にご相談ください。

工場・倉庫の改修・リニューアルをご検討の方は「三陽建設のリニューアル・リノベーション」をご覧ください。

創業100年を越える実績と信頼

高度な技術と幅広い対応力で様々なご要望にお応えします。

三陽建設の強みはこちら