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物流センターに求められる役割とは?物流を取り巻く環境の変化と物流センターのこれから

更新日 : 2023/10/04
物流センターに求められる役割とは?物流を取り巻く環境の変化と物流センターのこれから

物流には大きな変化の時が訪れています。物流網は急速に拡大し、ECの普及によって小口配送が急増、それに伴い物流センターに求められる役割も変化しています。そこで物流センターにはどのような種類があり、どういった機能が求められているのかを解説します。合わせて、これからの物流センターはどのように変わっていくのかを考えます。

物流センターの役割

物流センターのあり方や業務内容は、物流網の拡大や複雑化とともに変化していますが、そもそも物流とはどのような機能を目的としたものなのでしょうか。物流の施設について考える前に、物流とは何をするものなのか、どういった機能を果たすものなのかをおさらいしておきましょう。

物流の機能

物流には6つの機能があるとされています。

  • 輸配送
  • 保管
  • 荷役
  • 包装
  • 流通加工
  • 情報管理

かつてこれらの機能はそれぞれ別々の施設や会社によって行われていました。例えば、製品の流通加工と包装を製造元が行ったうえで店舗に保管し、その保管された製品の輸配送を問屋が手配するといったように、それぞれの役割を行う場所は独立していたのです。

しかし、交通手段の発達、インターネットとECの普及、物流網の発展、情報管理の高度化などにより物流のあり方も変化してきました。

その結果、物流の6大機能はいくつかの種類の物流センターへと集約されるのが主流になりつつあります。

物流センターの機能は近年集約している

厳密に言うと、物流は製造工場から出荷された時点から始まります。そういった製造拠点内での物の流れを除き、外部へ出荷された後の物の流れを考えたとき、物流のための施設は大きく分けて2つの種類に分類されます。

それは、保管のための倉庫と、それ以外の機能を担う物流センターです。

しかし今では、情報管理の集約や輸配送のリードタイム短縮のため、倉庫と一体化した物流センターも多く存在し、物流センターの機能集約が進んでいます。

物流センターの種類

物流センターを機能面から分類すると、大きく3つの種類に分けられます。

トランスファーセンター(TC)

トランスファーセンター(TC)は通過型物流センターとも呼ばれます。

「乗り換え」の意味を持つ「トランスファー」を行う物流センターで、別々のベンダーから出荷された商品を店舗別、あるいは方面別に積み替える作業を行うなど、効率的な輸配送をするための割り振りを行います。

このような、荷物が交差する輸配送ルートの組み換えを「クロスドッキング」といいます。

ディストリビューションセンター(DC)

ディストリビューションセンター(DC)は保管の機能を持つ物流センターで、在庫保管型物流センターとも呼ばれます。

倉庫としての機能もあり在庫保管、流通加工、荷合わせも行い、前後にある輸配送の業務を軽減する役割を持ちます。

機能の集約が進むなかで、大型のDCが増えています。

フルフィルメントセンター(FC)

フルフィルメントセンター(FC)は、情報に関する部分までの管理も行う物流センターです。

在庫保管や荷役、輸配送手配とそれに関する情報管理だけでなく、受注や顧客データの管理、返品やクレーム対応までも受け持ちます。

大規模ECの業務を請け負っていることが多く、顧客の立場になると3つの中で最もリードタイムの短い物流が可能です。

物流センターの今とこれから

物流センターの機能集約によって高効率な物流を実現できるようになった一方で、近年はさまざまな課題が浮き彫りになってきました。

物流センターが抱える課題と、今後それらにどう対応していくのかを考えてみましょう。

物流センターの現状課題

物流センターが抱える課題の一つに、労働力不足があります。

少子高齢化がさらに進んでいる社会の状況で労働力人口が減少傾向にあることに加え、拡大する物流網と物流需要に対して労働力の補充が追いついていないことなど労働力不足が顕在化してきました。

物流業界全体が労働力不足に悩まされるなかで物流センターも例外ではなく、人手不足の解消は重要な課題となっています。

また、物流センターにおける業務効率改善やDX(デジタルトランスフォーメーション)の施設規模間格差が大きいというのも、物流センターの課題として挙げられます。

大手の場合、デジタル技術やデータを活用することで効率化を成し遂げ、新たなサービスやビジネスモデルの創出に成功している例もあります。しかし、中小規模の物流センターに目を向けると、日々の業務に追われるだけでDXが進まず、いまだに人的資源の活用しか解決手段が見いだせないという状況になっている場合も少なくありません。

このように、物流業界全体としてはDXが遅れているというわけではないものの、施設の規模によって格差が大きく、DXを進められないまま取り残される施設が出てくる可能性があります。

物流センターのこれから

では、こういった課題に対し、どのような対策が進められているのでしょうか。

モーダルシフト

国内の輸配送では、およそ6割をトラック輸送が占めるといわれています。こういった自動車による輸送を船や鉄道での輸送へと切り替えていくのがモーダルシフトです。

輸送網を集約し、共同化しつつ、環境負荷の小さな輸送手段へと移行することで、合理化と環境負荷低減を同時に実現する取り組みとして推進され、国による支援もあります。

モーダルシフトが進むことで物流センターの役割や設備も変わっていく可能性があります。

大規模な物流センターは船や鉄道による輸送を中心とした拠点に、中小規模の物流センターはトラック輸送を中心とした拠点へと、分担が進んでいくことが考えられます。

物流センターのさらなる省人化

物流センターで働く人手の確保が困難になっている現状において、別のアプローチから労働力を確保する方法が模索されています。その一つがロボットの活用です。

ロボットの活用が進むことで省人化を達成し、労働力不足が緩和されることが期待されます。

また、データを活用することで、物流業務を効率化するだけでなく顧客に提供する価値も創出することができれば、物流センターの役割も変わっていくのではないでしょうか。

今後はロボット活用や高度な自動倉庫を基準とした設計が必要になると考えられます。

物流の情報からデータ活用

大手ECと連携するフルフィルメントセンター(FC)は、情報管理の重要度が高い傾向にあります。

大手ECで日々何万件と処理される受注や顧客行動、物流に関する情報がすべてFCに集まります。

こういった情報から、物流の効率をより高めるようなデータ活用が進んでいます。集めたデータをビッグデータとして蓄積し、AIによる分析で需要予測を行い、在庫管理を効率化することが可能です。

また、それらの情報や分析結果は、輸配送ルートの最適化やトラック手配の効率化などにも活かされています。

生鮮食品など適切な温度管理で流通を行うコールドチェーンの発達や輸配送時間の短縮により、さらに遠くへと物を運べるようになり物流網も拡大しています。それに伴い、物流センターは大規模なものから中小規模のものまで各地に必要となっていくと考えられます。

物流センターの役割は以前にも増して重要となり、データ活用による効率化を可能とするシステムが整備されていくのではないでしょうか。

物流倉庫のロボット活用

自動で荷物を収納したり出庫したりする自動倉庫は2000年ごろには普及し始めました。今では、3次元パレタイズ装置や有軌道台車による自動搬送なども融合し、倉庫で行う作業の大半について自動化が可能になりつつあります。

しかし、これらの機能は大量生産・大量出荷に対応するための高速化を目的として進化してきたものです。ニーズの多様性が重視される時代となり、小ロット生産・小口配送へと物流も変化しています。

そのため、自動倉庫にもミクロな管理が求められるようになり、倉庫内作業ではピッキング作業に要する時間比率が大きくなっています。これにより、入出庫を自動で行う恩恵が相対的に小さくなっています。

こういった現状に対応するため、新たに登場した手段がロボットによるピッキング作業の効率化です。

代表的なものは、ラックを持ち上げて人のいる場所へと持ってくるロボットです。Amazonの倉庫で使われているのを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。人は移動せずにピッキング作業ができ、人為的ミスを減らせる効果もあります。

もう一つの代表的なものは、ラックの上をロボットが移動するタイプです。ぎっしりと積まれたコンテナの上をロボットが移動し、必要なコンテナをつり上げて搬送します。

ロボットにケース単位のピッキングを行わせることで高速搬送・自動化・省人化・高密度収納が実現しました。さらに近年では、コンテナを持ったまま床の上を走ったかと思うと、そのまま壁を登るロボットも登場しています。

倉庫でのロボティクス応用は、今後も進化し続けていくと予想されます。

物流センターの役割は転換期に

物流センターの役割や種類、現状の課題や今後予想される変化について紹介しました。

ECの急速な普及と、人類にとって急務ともいえる環境負荷低減の必要性増大、これらにより物流には大きな変化が生じています。それに伴い、物流センターが担う役割も変化し、必要な設備や建物の設計も変わっていかなければならない転換期に差し掛かっているのではないでしょうか。

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