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ホテルの経営形態について解説―建設に適している場所や今後の需要など

更新日 : 2023/10/04
ホテルの経営形態について解説―建設に適している場所や今後の需要など

ホテル事業を始めるには、どのようなことに気を付けなければならないでしょうか。また新たにホテルを建設したり経営したりする場合には、ホテルの専門的な知識も必要となります。そこで、本記事で知っておくべき経営形態の分類やホテル建設に適している場所、ホテル経営の今後の見通しなどをご紹介します。

ホテル事業に関する三つの役割

ホテル事業を動かしていくためには、所有・経営・運営の三つの役割があります。それぞれを担う企業や個人がホテル事業にとって欠かせない役割となるでしょう。

それぞれの意味や役割を見ていきます。

所有

ホテル事業を行う上で、重要な一つとしてまずはホテルの土地などの所有が挙げられます。土地や建物、施設を所有している、または所有権は別にあっても建物や施設に関しての権利を持っていることです。所有している企業や個人はオーナーと表現されます。

経営

利益を生むための体制を整え、方針を定めるのが経営の役割です。そのなかには施設の使い方や資源・資産運用も含まれます。経営の最大の目的は、収益の最大化です。長期で継続してホテル事業を営むには、経営を必ず理解しておきましょう。

運営

運営は、経営と混同されがちですが、具体的なホテル事業の実行に関する部分を決めて実行していくのが役割です。経営方針に基づき、スタッフの配置や接客方法、サービス内容、室料やコースの設定、イベント企画やインテリアの決定などを行います。

ホテルの経営形態

所有・経営・運営をどのように役割分担しているかによって、ホテルの経営形態も変わります。主として、次のような経営形態が一般的です。

単独経営

所有・経営・運営を、一社もしくは個人で担当する経営の形態です。所有者が経営・運営者と同じであるため、経営と運営方針における機動性があることが特徴です。所有直営とも呼ばれており、帝国ホテルやプリンスホテルが有名です。ほかにも鉄道会社系列のホテルも単独経営が多い傾向にあります。また、温泉旅館や民宿、ペンションなどは多くが個人による単独経営です。ただし、建物や土地を所有し、経営から運営までを行いながらホテルを維持していく必要があるため、資金力が求められます。

運営委託

建物や土地を所有するオーナーが、運営を他社に任せる形態です。例えば、星野リゾートはこの経営形態をとっていることが知られています。ホテル運営を外部委託できるため、オーナーは運営に関するソフト面の負担を軽減できます。また、運営会社は建物や土地などのハード面に関する購入費用をかけずに運営でき、負担を分散できるのが特徴です。

リース方式

土地と建物を所有するオーナーに対し、リース料という形式でホテル経営の収益の一部を支払う経営形態です。メリットとしては、ホテルの土地を購入する費用がなくてもホテル事業に参入できます。ルートインや東横インなどのビジネスホテルチェーンが、この方式をとっています。

フランチャイズ方式

本部がブランドやノウハウを提供し、加盟店が収益の一部をロイヤリティとして支払う形態がフランチャイズ方式です。アパホテルやスーパーホテルで、この経営形態が多く採用されています。運営はホテルの所有企業が直接行いますが、経営に関するノウハウは本部から提供されるため円滑に収益化でき、ブランド力によって集客力も得られます。

マネジメントコントラクト方式(MC方式)

海外に多い経営形態で、所有・経営・運営を行う企業がそれぞれ独立している方式です。経営にはホテル経営に特化した企業、運営にはホテル運営のノウハウを持つ企業といったように、それぞれの専門企業が役割を受け持ちます。このように専門企業が役割を分担し、それぞれの能力を最大限に発揮することで、効率の良い管理が可能になるという点がメリットです。日本においても、オーナーが経営企業と運営企業を募集する形でマネジメントコントラクト方式を採用するケースが増えています。

ホテル経営に必要なポイント

ホテルの経営では、優先して考えるべき二つの重要なポイントがあります。それは、「ホテルの立地」と「収益の構造」です。これらはどのように重要な意味を持つのでしょうか。

ホテルの建設に向いている土地や場所

ホテルの利用客は、目的を持って宿泊場所を選びます。ホテルのある土地や場所と利用客の目的とが合致するかどうかによって、見込める利用者数が異なってきます。また、土地に合わせてサービス内容も変えなければなりません。

例えば、温泉地や有名な寺院のある観光地などであれば、和の雰囲気を取り入れたホテルが受け入れられやすい傾向にあります。一方で都市の中心部になると、駅の近くや大通り沿いであればシンプルなビジネスホテルの人気が高くなるでしょう。

このようにホテルの建設に向いている土地や場所を選び、その場所に合わせたホテルの雰囲気やサービスを提供することが成功のポイントとなります。

ホテルの収益構造と選択

ホテルを経営するには、収益を必ず見なければなりません。この収益を決定づけるのは、次の二つです。

  • 定員稼働率(ベッド数に対する宿泊客の割合)
  • 客単価(宿泊客1人あたりの利用金額)

一般的に、ホテルの収益は「定員稼働率×客単価」で計算されます。ただし、これは客室の利用で得られる収益だけを考えたものであり、ホテルの収益はこれだけではありません。

客室での収益を中心に考えた場合、客単価は土地や場所、ブランドなどによってある程度の相場があります。客単価の設定は、定員稼働率にも関わってきます。

定員稼働率を上げるためには、宿泊予約サイトや広告、SNSの活用など宣伝広告による集客が重要です。また、リピート客の確保と維持も重要で、接客やサービス内容の質を高める工夫も必要となるでしょう。

一方、客室以外での収益を増やすことを考えた場合、レストランや結婚式場、大宴会場などがあれば、工夫次第で客室以外の収益を大きくすることも可能です。また、これらによって提供できるサービスを、客室利用を増やす効果へと結びつけることもできます。

このように客室と客室以外のサービスを総合的に考え、ホテルの収益構造と方向性を決めていく必要があります。

ホテル経営の今後

ホテル経営は、さまざまな事業のなかでも比較的成長が望める分野だと言われています。その理由として、ホテルの需要増大が挙げられます。

次のような要因によって、ホテルの需要は今後も大きくなっていくと考えられます。

インバウンドを積極促進

2006年の観光立国推進基本法の制定を皮切りに、日本ではインバウンドと呼ばれる外国人観光客を積極的に誘致しています。観光庁によると、2030年までに訪日外国人旅行者を6000万人受け入れるという方針を掲げているなど国もインバウンド施策を積極的に取り組み、今後もインバウンドの需要は拡大することが見込まれています。それに伴い、ホテル需要も伸びていくと考えられているためホテル事業は明るいといえるでしょう。

都市部の再開発ラッシュ

バブル期に作られた都市部の中心街は、老朽化やニーズの変化によって再開発のラッシュを迎えています。都内では六本木や渋谷駅周辺などの再開発が注目されましたが、地方都市でも再開発を進めている場所は少なくありません。

このような再開発に伴い、新たなホテル建設の需要が見込まれています。商業施設と一体化したホテルや、新たな観光都市として受け皿を用意するという意味でホテル需要は増えていくでしょう。

ファシリティの見直し

企業が持つ資源という意味でのファシリティ活用に関して、大手企業では見直しが進んでいます。所有する土地や建物も収益化に結びつけることができれば、企業として全体の収益を大きくすることができます。

こうした遊休地を売却したり、土地の活用方法の見直しをしたりするなかで、ホテルへの活用も増えています。

ホテル需要は今後も拡大する見込み

本記事ではホテルの経営形態や経営の重要ポイント、今後のホテル需要などをご紹介しました。

今後はインバウンドの増加が期待されており、同時にホテルの需要も伸びると考えられます。また、都市部では再開発が進むと同時に企業が所有する土地の使い方も見直され、新たなホテルを建設するという使い方も少なくありません。このようにホテル事業は今後もさらなる需要があるため、新たにホテル経営を始める場合にはここでご紹介した基礎知識が役に立つのではないでしょうか。

ただし、ホテルを建設する場合には施工会社選びも重要です。豊富な経験や高い技術力がないと、ホテルの建設は思うように進まないでしょう。

三陽建設では豊富なホテル施工の実績があり、これまでのノウハウを活かして細部まで丁寧な施工が可能です。ホテル建設を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

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