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物流不動産とは?増加するEC需要を支える物流不動産の今とこれからを解説

更新日 : 2023/10/04
物流不動産とは?増加するEC需要を支える物流不動産の今とこれからを解説

新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要もあり、インターネット通販の需要が大幅に増加しています。2022年8月に経済産業省が発表した報告書「令和3年度電子商取引に関する市場調査」によると、2021年の物販系分野のBtoC-EC市場規模は13兆2,865億円です。2020年が12兆2,333億円のため、1兆円以上も増加しています。このような状況において重要になるのが、商品を保管するための物流不動産です。今回は、不動産のなかでも物流業務に欠かせない物流不動産について、概要や種類を見たうえで、物流不動産のこれからをお伝えします。物流不動産の建設、リニューアルを検討しているに際は、ぜひ参考にしてください。

出典:令和3年度電子商取引に関する市場調査|経済産業省

物流不動産とは

物流不動産とは、物流業務を行うための施設として第三者へ賃貸される、倉庫・物流センター等の建物のことです(※)。賃貸を行う倉庫や物流センターの面積に応じて賃料を収受するもので、基本的には一般的な個人やオフィス用途の賃貸を目的とした不動産ビジネスとモデルは変わりません。

※出典:物流不動産とは|国土交通省

物流不動産が注目を集める5つの理由

今、大きな注目を集めている物流不動産ですが、その主な理由として考えられるのは次の5点です。

  1. コスト削減

バブル崩壊以降、キャッシュフローを重視する企業が増え、物流施設についても自社で保有するのではなく、賃貸への流れが進んでいます。物流不動産を活用し自社での施設や設備保有をやめれば、毎月の固定費が抑えられ、コスト削減によるキャッシュフローの増加が可能です。

  1. 物流施設の多様化

従来、物流倉庫といえば、荷物を保管することを主にした保管型の物流倉庫(DC:ディストリビューションセンター)が一般的でした。しかし、現在では、次のような用途に応じてさまざまな物流施設のニーズが生まれています。

  • 通過型センター(TC:トランスファーセンター)
    入荷した荷物を保管することなく、仕分けだけをしてすぐに次の納入先へ出荷するタイプ
  • 流通加工・在庫型センター(PDC:プロセスディストリビューションセンター)
    DCのなかでも、商品の組立・設置、生鮮食品の加工などが行える、工場に近い流通加工機能を強化させたタイプ
  • FC:フルフィルメントセンター
    ECの市場規模増加に合わせ、主にECで商品の管理・ピッキング・配送までを行うタイプ

そして、これらの高度化した倉庫の受け皿として機能しているのが、物流不動産です。

  1. 物流業務の効率化

コスト削減や効率化を目的として、荷主企業の代わりに物流業務の企画立案と実行を行うサービス業者(3PL:Third Party Logistics)が急増しています。ただ、需要の急増により、3PL事業者自体も効率化を進めないと対応ができません。そこで、複数の荷主企業の集約を目的に、大型の物流施設を活用するようになりました。その集約を担っているのが、物流不動産です。

  1. 物流不動産の投資対象としての安定感

不動産証券化に関する法整備が進み、不動産投資の裾野が拡大しています。物流不動産はテナントの定着率が高く賃料も安定しているため、投資対象として人気が高まっていることも、注目を集めている理由のひとつです。

  1. 物流施設立地可能エリアの増加

主に首都圏や近畿圏の交通インフラが整備され、従来、湾岸周辺が中心だった物流施設の立地可能エリアが内陸部にまで拡大しています。物流不動産ニーズの高まりに合わせ、設立可能エリアの増加が相乗的に絡み合い、これまで以上に物流不動産の注目度が高まっているのです。

物流不動産の種類

物流不動産は大きく分けて、マルチテナント型とBTS(Build To Suit)型の2種類があります。それぞれの概要は次のとおりです。

マルチテナント型

マルチテナント型とは、一般住宅でいう建売住宅のようなもので、複数のテナントに貸し出すことを前提に、比較的用途を選ばない柔軟な設計で造られる物流施設です。

マルチテナント型の主な特徴は、複数テナントの利用を前提としているため比較的大型である点です。複数のテナントが存在しても使いやすいように、柱スパンやトラックの動線も広くスペースが取られているため、レイアウトの自由度も高めです。

マルチテナント型を活用するメリットは、さまざまな設備や機能を複数テナントで共有できることから、コストを抑えられる点でしょう。もともと物流不動産を使う目的のひとつとしてコスト削減があるため、マルチテナント型のメリットは、多くのテナントが求める条件に合致していると言えます。

設立する側のメリットは、用途を選ばない設計にすることで特殊な倉庫を設立するのに比べて建設コストを抑えられる点や、新たなテナントが入ってきてもカスタマイズするコストがかからない点です。また、さまざまな業種のテナントが活用できるため、空きができるリスクを抑えられるのも大きなメリットと言えるでしょう。

BTS(Build To Suit)型

BTS型とは、一般住宅でいう注文住宅のようなもので、特定のテナントからの要望に合わせてオーダーメイドで造られる物流施設です。

BTS型の主な特徴は、冷凍冷蔵倉庫、医薬品の製造管理用倉庫、危険物を保管管理する倉庫、重量物対応の倉庫などを、テナントの要望に合わせて用意できる点にあります。基本的に一社で利用できるため、テナントにとっては、自社倉庫と変わらない環境で利用できるのも大きな特徴と言えるでしょう。

BTS型を活用するメリットは、低コストで利用できる点にあります。自社がゼロから設立するには大きなコストがかかる特殊な倉庫を、低コストで利用できるのは大きなメリットです。

設立する側のメリットは、テナントの要望に合わせてオーダーメイドで設立するため、マルチテナント型に比べ賃料を高く取れる点にあります。また、オーダーメイドのため、マルチテナント型に比べ、長期にわたって利用してもらえる可能性が高いのも、設立する側にとってはメリットと言えるでしょう。

今後の物流不動産

2020年初頭、新型コロナウイルスの感染拡大により、冒頭でも触れたようにEC需要が拡大しました。2019年のBtoC-ECの市場規模が10兆515億円だったのが、2020年には12兆2,333億円と約2兆2,000億円も増加しています。2021年はさらに1兆円以上も増加していることから、コロナ禍が落ち着いたとしても急激にEC需要が減少するとは予測しにくい状況と言えるでしょう。

また、ECで扱う商品の種類も多様化が進み、食品や雑貨、家電のほかにも化粧品や医薬品など、さまざまな商品がECで販売されるようになっています。今後はそれぞれの商品特性に合った物流施設が求められるようになるため、多機能かつさまざまな用途に対応する物流施設の需要は今以上に高まっていくと言えるでしょう。

物流不動産を建設するなら実績豊富な業者へ

EC需要の増加に伴って、物流施設の需要も年々増加しています。ただ、さまざまな用途に応じるために物流施設の高機能化、拡大化を企業が自ら推し進めるのは、コストがかかるうえ手間もかかるため、あまり現実的ではありません。そこで、重要になるのが物流不動産です。

不動産投資の人気が高いこともあり、物流不動産市場がこれまで以上に活性化することも予測できます。ただし、人気が高いからこそ、差別化を進めないと競争に生き残っていくことはできません。

これから物流不動産を建設するのであれば、倉庫建設に明るく、実績豊富な業者を選択することが成果を上げる鍵となると言えるでしょう。

三陽建設では、医薬品や化粧品に求められるGMP認定工場の建設経験も豊富で、さまざまな用途に応じることが可能です。物流不動産に興味があり、これから始める事業として検討しているといった際には、ぜひお気軽にご相談ください。

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