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工場の間仕切りにビニールカーテンを使用するメリットと最適な設置方法
更新日 : 2023/12/05工場内部では生産性向上や品質保持の観点から設備内に間仕切りの設置が求められる場合があります。具体的には以下のような間仕切りが用いられます。
- パネルタイプの間仕切りパーティション
- 可動式シートの間仕切りパーティション
- 天井付き 間仕切りパーテーション
現在、間仕切りの方法として注目を浴びているのがビニールカーテンを用いる方法で、費用・工数や効果の面から様々なメリットがあります。
本記事ではビニールカーテンを設置するメリットや、設置できるビニールカーテンの例、設置方法などを解説します。
工場の間仕切りやレイアウトでお悩みの方、ビニールカーテンの導入を検討されている方はぜひご一読ください。
Contents
ビニールカーテンで間仕切りをする目的
ビニールカーテンの間仕切りを使用することによって様々な効果が得られます。代表的な用途、目的について見ていきましょう。
空調管理(寒さ対策・暑さ対策)
ビニールカーテンは工場の温度管理に対して効果を発揮します。
冬場においては外の寒気を遮断(断念効果)すると同時に、設備内の暖房効率も向上します。さらに、ビニール自体の保温効果の高さから寒さ対策としても期待ができます。
一方で夏場においては逆に暑さを助長してしまうイメージもありますが、実際には暑さ対策としても有効です。ビニールの断熱効果は外部の暑さを内部に伝わりにくくする方向でも発揮される上、内部の冷房効率を高める効果も得られるためです。
節電
ビニールカーテンの効果により暑さ対策、寒さ対策が実施できることは場内の環境を快適に保てることに加えて節電効果も得られます。冷暖房の空調効率が良くなることによって、場内が自然と適切な環境に保たれやすくなるため、エアコンの出力が抑えられ、節電にも繋がるのです。
ゾーニング
ビニールカーテンは工場内の簡易なゾーニングにも最適です。必要に応じてすぐに設置できるだけでなく、柔軟にゾーニングする空間のまどりの変更や、カーテンそのものの撤去も容易です。
頻繁にレイアウトを変更する必要のある生産体制である場合、柔軟な設置・撤去が可能なカーテンによるゾーニングは非常に重宝するでしょう。
外部からの影響への対策(防風・防虫・花粉など)
ビニールカーテンは数多くの外部から工場への悪影響を防ぐ役割も担います。とりわけ、虫の侵入は工場の業種によっては時に甚大な被害を及ぼしかねません。
こういった外的な脅威から工場や製品、原材料を守る意味でもビニールカーテンは低コストで実施できる対策方法として重宝します。
工場の間仕切りにカーテンを使用するメリット
工場の間仕切りとしてカーテンを採用することには経済的、機能的に様々なメリットがあります。重要なポイントを見ていきましょう。
カーテンの購入費用・設置費用が安い
カーテンは他の方法と比べて安価に間仕切りを設置することができます。カーテン自体の費用が安価であり、取り扱いがしやすいため設置のコストも抑えられるためです。
コストを抑えながら間仕切りを設置したい場合、有力な選択肢として挙げられます。
設置・撤去が容易である
費用がかからないだけでなく、設置の手間や工期がかからないこともメリットとして挙げられます。設置方法やカーテンの規模にもよりますが、1〜2日程度の作業で設置することすら可能です。
設置が容易であることは、必然的に撤去も容易であることを意味します。頻繁にレイアウトの変更が必要となるようなケースにおいては特に重宝すると言えるでしょう。
空調管理がしやすい
先述の通り、ビニールカーテンの断熱効果は工場内の空調管理においても有効です。施設内で夏の暑さ、冬の寒さを緩和し、空調効率を高めることによる節電効果が期待できる点も大きなメリットです。
開け閉めが容易である
ビニールカーテンは柔らかく軽いため、開け閉めが容易であることもメリットとして挙げられます。とりわけ、のれんタイプなどのカーテンであれば手で開閉しなくとも身体で押して通過できるため、手がふさがった状態でも通過することが可能です。
作業効率の観点からも最適化しやすい方法と言えるでしょう。
工場の間仕切りに活用できるカーテンの例
工場の間仕切りとして活用できるカーテンのタイプについて、用途別に3つ解説します。
のれんタイプ
のれんタイプのカーテンは空調管理効果などのビニールカーテンの機能性を備えながらも開閉が容易であることが特徴です。手で開閉しなくても身体で押せば通貨でき自動で閉まるため、手がふさがった状態や、フォークリフトなどの機械に乗ったままでも通ることができます。
クリーンルームなどの出入り口に設置するのにも適したカーテンです。
アコーディオンタイプ
アコーディオンタイプのカーテンは楽器のアコーディオンのような形状で軽い力で横に引くことで開け閉めできます。高強度のフレームと2枚のビニールを用いるため、非常に強度が高いことが特徴で、屋外と屋外の仕切りとしても十分に活用できます。
1枚物タイプ(ジャバラカーテン)
アコーディオンタイプと同じく横に開閉可能なタイプのカーテンです。1枚のビニールを折り畳み加工で簡単に開閉でき、開口時の収納性を良くしています。ビニール1枚で作れるため、コストは抑えられますが、強度などの機能面ではアコーディオンタイプに劣ります。
状況別カーテンの最適な設置方法
工場の間仕切りとして便利なカーテンには、設置方法がいくつかあります。最適な設置方法について解説します。
カーテンレールを設置し、吊るす
開閉式のカーテンの設置方法として最もポピュラーなのがカーテンレールを設置する方法です。設置したいカーテンのサイズや重量、設置個所の条件などから種類を選定し施工します。
ワイヤー・スライダーで吊るす
カーテンレールの設置が難しい場合、ワイヤー・スライダーを使って吊るすといった方法が代替手段として考えられます。スライダーの素材としては鉄やステンレスなどが使われるため、用途にあった素材を選定しましょう。
専用の金具で取り付ける(のれんタイプ)
のれんタイプのカーテンを取り付ける場合、専用の金具を設置するのが一般的です。専用のフレームを下地に取り付け、ビニールのカーテンを吊るすシンプルな構造なので、柔軟に様々な箇所に設置が可能です。
工場の間仕切りにカーテンを使用する際の注意点
工場の間仕切りとしてカーテンの利便性は高いですが、使用する際の注意点もあります。重要な点を2つ解説します。
用途にあったカーテンを選ぶ
ビニールカーテンにも様々な素材の製品があります。設置する用途に沿って目的に合うカーテンを選ぶことが重要です。
例えば、精密機器を扱う工場においては静電気を避けるため、帯電防止素材のカーテンが奨励されます。食品を扱う向上においては虫は大敵。侵入を避けるため防虫素材で作られたカーテンが望ましいでしょう。
工場の性質やカーテンを設置する目的に沿った最適なカーテンを選ぶことが重要です。
カーテンは定期的な交換が必要
ビニールカーテンの耐用年数は一般的には5年程度であり、定期的な交換が必要です。使用している環境(直射日光に長時間当たっているなど)によってはより短いサイクルでの交換が必要な場合もあります。
目安としてはカーテンに含まれる柔軟剤が抜け、パリパリとした状態になっている場合は交換した方がよい状態と言えるでしょう。
工場のカーテン設置に関するよくある質問
消防法で気を付けなければいけない点はありますか?
工場、倉庫で使用する業務用ビニールカーテンや間仕切りシート類は、防炎素材、もしくは不燃素材の使用が消防法によって義務付けられています。
ビニールカーテンの耐用年数はどれくらいですか?
一般的にはおよそ5年ほどですが、おかれている環境下や耐用年数に関しての捉え方によっても異なってきます。
カーテンの設置工事は工場を稼働しながらできますか?
はい、可能です。
ビニールカーテンの設置は比較的短期間の工事で施工が可能です。三陽建設では工場の稼働を止めずに工事をする「居ながら改修」の実績が多数ありますので、安心してお任せください。
まとめ
工場の間仕切りとしてのビニールカーテンの活用について解説しました。ビニールカーテンは安価、短工期で設置できる上機能性も高く、工場の間仕切りとして幅広い形で活躍します。
特に、断熱効果については工場内を適切な温度に保ち、快適な作業環境を維持しつつ節電効果も得られるため特に重要と言えるでしょう。工場の間仕切りの設置に課題を抱えられている場合、ぜひ用途に合ったビニールカーテンの設置を検討してみてください。
三陽建設ではビニールカーテンの間仕切りの設置はもちろん、レイアウト変更や遮熱・断熱対策など、ニーズにあわせた改修工事の提案をしています。工場の改修や修繕をご検討の際はお気軽にご相談ください。
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