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工場・倉庫で実施すべき台風対策と改修のポイント

更新日 : 2024/09/04
工場・倉庫で実施すべき台風対策と改修のポイント

日本は他国と比較しても地理的に自然災害が多く、特にその中でも台風は過半数以上を占める、比較的頻発する災害です。台風の被害は時に甚大なものとなり、とりわけ、設備や在庫、多くの従業員を抱える工場・倉庫においては万全の対策を行うことが必須です。

本記事では工場・倉庫で実施すべき台風対策と改修のポイントについて解説します。比較的容易に対策できる日常の備えから計画的に実施すべき改修のポイントまで網羅していますので、工場・倉庫の台風対策に課題をお持ちのご担当者様はぜひご覧ください。

工場・倉庫で台風対策が必要な理由

台風の被害は後述しますが、設備や在庫、建物そのものなど工場・倉庫の経営に重大な影響をもたらしかねません。加えて、従業員の人命や風での設備などの飛散による周辺への被害など、時に膨大な損害賠償をもたらしかねない事態も想定されます。

近年は2019年の台風15号など史上最大規模の台風が観測されており、世界全体の環境の変化からも今後も大型の台風の発生や、これまで台風への警戒を必要としなかったエリアへの台風の発生も懸念されます。

「これまで大丈夫だったから」ではなく、今後のあらゆる状況の変化に備える意味で、台風の対策が必要なのです。

台風で起こりうる工場・倉庫の被害

台風は大雨や強風、風での飛来物から河川の増水など様々な形での被害を引き起こします。工場・倉庫において台風の影響で起こりうる被害について、重要なものを見ていきましょう。

雨漏り

台風による豪雨は、工場や倉庫の屋根や窓からの雨漏りを引き起こす可能性があります。

雨漏りが発生すると雨水が機械や製品に直接影響を与えることで、稼働停止や品質の低下が発生しかねません。

さらに、長期間にわたる雨漏りは建物の構造自体にダメージを与え、修繕費用が増大する可能性があります。

浸水

台風による大雨で浸水被害を受けるリスクがあります。とりわけ低地に位置する工場や倉庫ではとくに注意が必要です。

浸水が発生すると、水が機械設備に入り込むことで、生産ラインが停止し、復旧に時間とコストがかかります。さらに、浸水によって製品や材料が破損し、在庫管理や出荷に大きな影響を与えます。

外壁や屋根の破損

台風の強風により、外壁や屋根が破損することがあります。このような破損が生じると、建物の構造的な安定性が損なわれることで、安全性が低下し、従業員の作業環境に悪影響を与えます。

さらに、破損箇所の修繕には多額の費用がかかってしまうため、経済的な負担が増大します。

稼働が止まる

台風の影響で停電や断水が発生すると、工場や倉庫の稼働が停止することがあります。稼働が停止すると、計画された生産スケジュールが大幅に遅れ、納期に間に合わない可能性があります。

納品できず売り上げが立たないことにとどまらず、場合によっては損害賠償請求が生じないとも限らないため、企業にもたらす経済的損失は時に膨大なものとなりかねません。

工場・倉庫の台風被害を防ぐための対策

台風による工場・倉庫への被害は時に膨大なものとなるため、被害を回避、軽減するための対策をあらかじめ講じることが重要です。

台風被害を防ぐための建物に対する対策について重要なポイントを解説します。

外壁・屋根のメンテナンス

工場や倉庫の外壁や屋根は、台風の強風や豪雨に直接さらされるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。特に、劣化した部分やひび割れ、破損箇所は台風の際に被害を拡大させる原因となるため、早期の修繕が重要です。

外壁や屋根のメンテナンスには、耐久性のある素材を使用することが推奨されます。また、専門業者による点検を定期的に行い、予防的な修繕を実施することで、台風による被害を最小限に抑えることができます。

【関連記事】工場や倉庫の屋根防水工事の種類とメリット・デメリット

浸水対策

台風による大雨は浸水のリスクを高めます。工場や倉庫が低地に位置している場合、特に浸水対策が重要といえるでしょう。浸水対策には、例えば、建物の周囲に排水設備を整備し、水が建物内部に侵入しないように対策することが挙げられます。排水ポンプの設置や排水路の整備は、迅速な排水を可能にします。

もしくは、建物の床を高く設計することで、浸水リスクを低減させることができます。また、防水シートの設置や防水塗料の使用も効果的です。状況に応じた適切な対策を取ることで浸水を防ぐことが重要と言えるでしょう。

【関連記事】工場・倉庫の水害対策で実施すべき7つの項目!浸水被害を防ぐ方法

シャッターや窓などの補強

台風の強風はシャッターや窓に大きな圧力をかけ、破損や飛散のリスクを高めます。そのため、シャッターや窓の補強は、台風対策の一環として重要です。シャッターには耐風性能の高い製品を選び、必要に応じて補強バーを取り付けることで、強度を増すといった対策が有効です。

また、窓には強化ガラスや防風フィルムを使用することで、風圧による破損を防ぐことができます。さらに、窓枠やシャッターボックスの固定を強化することも有効です。こういった補強対策が建物全体の耐久性を高め、台風をはじめとする災害時の安全性を確保することにつながります。

台風に備えて準備しておくこと

台風は他の大規模災害と比較すると、発生を事前に察知することができ、適切な対策を講じる時間的余裕があるケースも多いです。

建物への対策以外で台風に備えて事前に準備しておくべきことについて、特に重要な点を3つ紹介します。

台風に伴う休業や出勤のルールを定めておく

台風の接近時には、従業員の安全を最優先に考慮した休業や出勤のルールをあらかじめ定めておくことが重要です。

具体的には、気象庁や地方自治体の発表に基づき、台風の影響が予測される場合の休業基準を設定します。また、通勤経路や自宅周辺の状況によっては、個別に出勤を見合わせる判断も必要です。従業員に対しては、事前にこれらのルールを周知し、連絡体制を整備しておくことで、混乱を避けることができます。

商品や機器を安全な場所に移動させる

台風による被害を最小限に抑えるためには、商品や機器を安全な場所に移動させることが大切です。特に浸水や強風による飛散のリスクが高い場所にある設備や在庫品は、事前に安全な場所へ移動させる準備をしておきます。

例えば、高価な機器や重要な書類は、浸水の恐れがない高所や密閉できる防水容器に保管します。移動が難しい大型機器などについては、浸水を防止したり固定を強化し、災害の影響を受けないような対策を講じます。

初動対応マニュアルを整備する

台風の影響が予測される際には、初動対応マニュアルを整備しておくことが重要です。初動対応マニュアルには、従業員が取るべき具体的な行動や、連絡先、避難経路、緊急時の手順などを明確に記載します。

特に、停電や断水、通信障害が発生した場合の対応策を詳細に記述しておくことで、迅速かつ的確な対応が可能となります。また、定期的に従業員と共に避難訓練を行い、実際の緊急時に備えることも効果的です。

まとめ

工場・倉庫での台風対策について解説しました。台風のリスクは今後もなくなることはなく、むしろ危険度が増していくことも考えられます。適切に対策を行わなかった場合、時に経営そのものに打撃を及ぼすような事態も発生しかねません。

そのため、必要に応じた対策、準備、さらには計画的な設備の補強や修繕を計画することが欠かせないといえるでしょう。

今回の記事も参考に、自社で必要な対策について検討してみてください。

三陽建設では工場・倉庫の建設や、改修工事を一気通貫で行っています。台風や災害に備えた補強や修繕をご検討の際には是非ご相談ください。

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