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倉庫の耐用年数とは?メンテナンスや修繕を適切に実践するポイントを解説

更新日 : 2023/10/04
倉庫の耐用年数とは?メンテナンスや修繕を適切に実践するポイントを解説

倉庫には、耐用年数と呼ばれる建物の寿命が必ずあります。老朽化による劣化を放置していると保管している荷物の安全性はもちろん、倉庫にいる作業員にも危険が及ぶため、適切なタイミングで対応することが欠かせません。では、老朽化が進む倉庫のメンテナンスは具体的にどのようにするべきなのでしょうか? 今回は、倉庫のメンテナンスや修繕を進めるうえで知っておきたい、耐用年数についてお伝えします。倉庫のメンテナンスや修繕の検討をされているご担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

倉庫の耐用年数とは?

企業が管理する建物の耐用年数は、「法的耐用年数」「経済的耐用年数」「物理的耐用年数」の大きく3つに分けられています。どれを基にするかでも倉庫の耐用年数は変わるため、メンテナンスや修繕のタイミングを計るのは簡単ではありません。

それぞれの耐用年数について、具体的な数字を紹介します。

法的耐用年数

法的耐用年数とは、国税庁が定めた減価償却資産の耐用年数です。建物を資産と考え、複数年かけて償却していくための年数を表します。

<一般用倉庫の法的耐用年数>

  • 木造・合成樹脂造 15年
  • 木骨モルタル造 14年
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 38年
  • れんが造・石造・ブロック造 34年
  • 金属造 骨格材肉厚4mm以上のもの 31年
        骨格材肉厚3mmを超え、4mm以下のもの 24年
        骨格材肉厚3mm以下のもの 17年

また、建物附属設備の耐用年数は次のように定められています。

  • 日よけ設備 主として金属製のもの 15年
          その他のもの 8年
  • 照明設備を含む電気設備 蓄電池電源設備 6年
                その他のもの 15年
  • 給排水・衛生設備、ガス設備 15年

経済的耐用年数

経済的耐用年数とは、その建物が物理的要因、機能的要因による劣化、経済的要因による減価を総合的に勘案し、価値がなくなるまでの年数を表します。

具体的には、メンテナンスや修繕にかかるコストが、改築費用を上回るまでの年数です。ただし、これは一般的な住宅の場合であり、営利を目的とした倉庫の場合は運用することで利益が生じるため少し異なります。

たとえば、倉庫を運用していくうえで得られる利益よりもメンテナンスや修繕にコストがかかってしまう状態である場合、経済的耐用年数を越えていると判断できるでしょう。ただし、メンテナンスや修繕コスト以上に利益がある場合、劣化があっても経済的耐用年数は超えていないので、メンテナンスや修繕は後回しにしようと考えないよう注意が必要です。

法的耐用年数は法律で年数が明確に規定されていますが、経済的耐用年数は具体的に何年という数字はありません。メンテナンスや改善の必要性があるかどうかを確認するには、早めに不動産鑑定士に依頼しましょう。

物理的耐用年数

物理的耐用年数とは、経済、税制などは関係なく、純粋に建物の物理的な状況に限定した耐用年数です。一般的にほかの耐用年数より長めに設定されています。

ただし、倉庫の立地や、その土地における台風、地震といった自然災害の発生の頻度などによって、倉庫の物理的な状況は異なってくるため、物理的耐用年数については、建築士に依頼して確認しましょう。

倉庫のメンテナンスと修繕のタイミング

倉庫の耐用年数について、企業利用においては3つに分けられると説明しました。しかし、法的耐用年数は減価償却計算を行うための年数であり、その他2つの耐用年数も専門家に調査依頼をしないと正確な年数はわかりません。

また、経済的耐用年数については、会社の利益が重視されることもあり、建物の劣化を見落としてしまうリスクがあります。ただ、利益が出ている段階で早めの対応をすると、メンテナンスのコストも修繕コストも低く抑えることが可能です。逆に、利益が出なくなり修繕コストも高額になってからの対応になると、それまでの利益も失ってしまうかもしれません。

そこで、倉庫のメンテナンスのタイミングは、構造にかかわらず立地や利用状況に応じて10~15年に1回は行うようにするのがおすすめです。そして、劣化部分を発見したら早めに修繕計画を立て実施するようにしましょう。

倉庫のメンテナンス、修繕をスムーズに進めるためのポイント

総務担当者の方にとって、倉庫のメンテナンス、修繕はどうしても後回しの仕事になってしまいがちです。しかし、企業における倉庫の役割は非常に重要であり、対応が遅れれば利益が減少するだけではなく、大きな事故や不具合にも発展するリスクがあります。

倉庫のメンテナンス、修繕をスムーズに進めるためのポイントは、「耐用年数よりも劣化状況を重視する」「メンテナンスや修繕は適切な業者に依頼する」の2点です。それぞれについて簡単に解説します。

耐用年数よりも劣化状況を重視する

減価償却費や経済的耐用年数を考えれば、早い段階でメンテナンスや修繕にコストをかけると利益が減少してしまうと思われるかもしれません。しかし、立地や利用状況によって劣化が早まるケースは少なくありません。

そのため、耐用年数を重視するのではなく、現場での劣化状況をしっかりと把握するようにします。長期的に利益を上げていくには、早い段階でのメンテナンスが重要です。

メンテナンス、修繕は適切な業者に依頼する

倉庫のメンテナンスは、経験が豊富で専門に扱っている部署がある業者に依頼するとよいでしょう。

専門の業者であれば、定期点検や修繕についても信頼して依頼できることが多いでしょう。また、将来的に建替えとなった際でも継続して依頼しやすいため、安心です。

倉庫のメンテナンス、修繕は耐用年数より実際の劣化具合で対応することが大切

倉庫の老朽化による劣化は、早い段階で対応しないと大きな事故につながるリスクがあります。普段作業をしていない場所の劣化は気づくまでに時間がかかってしまうことが多いかもしれません。しかし、安全に倉庫業務を行っていくためには、適切なメンテナンスと修繕が求められます。

メンテナンスや修繕のタイミングは、耐用年数を基に考えがちですが、多くの場合、耐用年数は実際の建物の劣化とは異なる視点から算出されているため、過信は禁物です。

劣化の発見は専門家でないと気づきにくいため、倉庫のメンテナンスから修繕、改修まで専門に扱っている業者へ依頼するとよいでしょう。すべてを一括で依頼できる専門業者であれば、何かあった際にもスムーズな対応が可能です。老朽化による劣化が気になりつつも、メンテナンスの費用やタイミングがわからないためになかなか行動に移せない状態になってしまわないよう、専門業者の力を利用しつつ、早めに対応することをおすすめします。 三陽建設では、倉庫の改修工事において豊富な実績があります。リニューアル専門部隊を整え、一貫したサポートでお客様にご満足いただけることを約束いたします。メンテナンスや修繕に関して、些細なことでも構いませんのでお気軽に相談くださいませ。

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