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倉庫を鉄骨造にするメリットとは?構造の種類や事例もご紹介

更新日 : 2023/10/23
倉庫を鉄骨造にするメリットとは?構造の種類や事例もご紹介

倉庫の建築には、鉄骨造や木造、鉄筋コンクリート造などさまざまな種類の建築方法があります。その中でも鉄骨造は多くの国内の倉庫で採用されています。では、なぜ鉄骨造が選ばれるのでしょうか。また、鉄骨造にはどのようなメリットがあり、なぜそれが倉庫の建設に適しているのでしょうか。そこで、本記事では倉庫を鉄骨造にするメリットやデメリット、鉄骨造の種類、実際に建設された鉄骨造倉庫の事例などをご紹介します。

倉庫を鉄骨造にするメリット・デメリット

倉庫を建設する際、建築構造として鉄骨造や木造、コンクリート造などさまざまなものがあります。

このなかで多く選ばれているのは鉄骨造であり、2020年の国土交通省のデータでは約7割を占めています。

それでは、なぜ鉄骨造が選ばれるのかメリットについて以下で解説します。

鉄骨造の倉庫のメリット

倉庫を鉄骨造で建設した場合、次のようなメリットがあります。

・耐久性が高い

鉄骨造は、使用される部材が丈夫で耐久性があります。法的耐用年数を比べてみても、木造は15年なのに対して鉄骨造は19年~34年とされています。

倉庫の耐用年数や修繕の目安などについては、「倉庫の耐用年数とは?メンテナンスや修繕を適切に実践するポイントを解説」で詳しくご紹介しておりますのであわせてご覧ください。

・倒壊の危険性が低い

耐震性については、建築基準法によってどの建物でも震度6強~震度7の揺れに耐えられるよう建てることが定められており、工法による違いはないことになっています。しかしそれ以上の揺れが発生した場合でも、鉄骨は塑性変形する性質があり完全には折れにくいため、倒壊の危険性は低くなります。

・遮音性が高い

壁に鋼製の部材を使用するため、遮音性が高いのも特徴のひとつです。壁がコンクリートで作られる鉄骨コンクリート造では、さらに遮音性が高くなります。

・品質の安定

木材は木目や乾燥具合によって1本1本の性質が違い、柱や梁(はり)についても部材の特性を見極めながら組み立てなければなりません。一方、鉄骨造で使用する鋼材は一定基準で製造されているため、個体差を考慮する必要はありません。そのため、建物を安定した品質で建設できます。

・現場での工期が短い

軽量鉄骨造に代表される工法では、あらかじめ組み立てのための加工をしておき、現場でそれらを組み立てる方法が一般的です。そのため、現場での作業を短縮できます。

・大空間の確保が可能

鉄骨造は部材に剛性があるため、少ない柱でも建設できます。そのためまとまった大きな空間を作ることができ、倉庫としての保管スペースを広くとることが可能です。

このように鉄骨造はさまざまなメリットがあります。木造と比較すると、耐久性や遮音性に優れているといえるでしょう。ただし、木造にも特有のメリットがあります。詳しくは、「木造の倉庫を建てるメリットとは?鉄骨造と木造の特徴を比較して解説」をご覧ください。

 

鉄骨造の倉庫のデメリット

では、鉄骨造のデメリットとされるのは、どのような部分でしょうか。

・保温性を確保する工夫が必要

鉄骨造は壁が鋼材やコンクリートで作られるため、保温性がありません。冷暖房で室温をコントロールしようとしても、温度が外に逃げやすくコストが大きくなります。室温を保つためには断熱材の施工や区画を分けた部屋の造設などが必要です。

・結露しやすく錆びやすい

鉄骨は丈夫で長持ちするものの、錆による腐食という弱点があります。さらに、鉄骨造は保温性が低い場合が多く、外気温との温度差で結露しやすいのもそこに追い打ちをかけます。そのため、鉄骨造にとって防錆加工は必須です。

・重量によって基礎工事コストがかかる

鉄骨造は使用する部材が全体的に重いため、建物全体の重量も大きくなります。そのため、建物の下部を支える基礎も丈夫な構造にしなければなりません。木造に比べると、基礎工事コストは大きくなります。 

鉄骨造の倉庫の種類

鉄骨造は、使われる鉄骨の種類や鉄骨を組み建てる構造によって種類が分かれます。それぞれ次のように分類されます。

鉄骨の種類による分類

鉄骨の種類によって建設する工法は異なります。工法は主に2種類ありますので、それぞれ解説いたします。

・軽量鉄骨造

厚み6mm未満の軽量な鋼材を用いて建設する工法です。工期が短く建設コストも抑えられますが、強度を出すために鉄骨の本数を多くして筋交いを入れる必要があり、間取りの自由度は低くなります。また、リフォームもしにくいため拡張性は高くありません。

軽量鉄骨造で主に建設する建物

  • 一般的な戸建住宅
  • 小規模店舗
  • 小規模倉庫

・重量鉄骨造

厚み6mm以上の鉄骨を用いる工法で、高い強度があります。鉄骨の間隔を広く配置でき、間取りの自由度は高くなります。ただし、全体の重量は大きくなるため、地盤や基礎の工事をしっかり行う必要があり、建設費用は高くなってしまいます。

重量鉄骨造で主に建設する建物

  • 大型マンション
  • 高層ビル
  • 大型倉庫

骨組みの構造による分類

骨組みの構造の種類についても、それぞれ解説していきます。

・ラーメン構造

もとになっているのは額縁や枠を意味するドイツ語の「Rahmen」という言葉で、柱と梁を長方形に組んで骨組みを作る構造です。筋交いを入れないため間取りの自由度が高いのが特徴です。

・トラス構造

三角形をいくつも組み合わせたような構造となるのがトラス構造です。三角形の支えによって高い安定性があり、力も分散されるため細い鋼材でも建設が可能です。

・ブレース構造

基本的な考えとしてはトラス構造と同じで部材によって三角形を作る構造ですが、柱や梁とは異なるブレースという部材を筋交いとして組み合わせるのが特徴です。

・アーチ構造

梁となる部材が弓形になるよう組む工法です。水平な梁と比べて力を分散できるのが利点ですが、設計は複雑になります。

鉄骨の種類や構造の種類を組み合わせ、さまざまな目的に対応する倉庫を建設します。

倉庫の種類やそれぞれに適した建築方法については、「倉庫建築にかかる期間は?建築時の注意点や業者の選び方も解説」をご覧ください。

鉄骨造の倉庫の事例

鉄骨造の倉庫の事例をいくつかご紹介します。

物流倉庫

滋賀県にある物流拠点の倉庫です。鉄骨造で2階建となっており、延床面積は5,253.21㎡あります。

工場兼倉庫

工場と倉庫が一体になった建物です。2階建で延床面積は4,176.73㎡です。

平屋倉庫

鉄骨造の平屋建ての倉庫です。延床面積は1,478.38㎡もあります。

紹介した倉庫のほかにも、大きさや種類などさまざまな倉庫があります。

倉庫の種類については「倉庫の種類とは?自社の目的に合わせた倉庫を選ぼう」をご覧ください。

鉄骨造の倉庫建設の依頼は専門性の高い業者へ

本記事では、鉄骨造の特徴や構造の種類、実際の建設事例などをご紹介しました。

倉庫に大量の商品を安全に保管するためには、建物内のスペースと耐久性が重視されます。そのため大容量の保管場所を確保できる鉄骨造が多くの倉庫で採用されています。ただ、鉄骨造の倉庫を建設する際は、防露防錆技術や基礎工事などあらゆる面で注意が必要です。より安全で耐久性の高い倉庫を建設するためには、倉庫の建設に関してノウハウのある専門性の高い業者に依頼することが大切です。

三陽建設には、さまざまな種類の倉庫を手掛けてきた豊富な実績があります。細部までこだわる高品質な技術でお客様のご提案に沿った施工が可能です。鉄骨造の倉庫の建設については、ぜひ三陽建設にご相談ください。

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