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保育園の建築に重要な設計・施工のポイントとは-開設前に必要な準備もご紹介

更新日 : 2023/10/04
保育園の建築に重要な設計・施工のポイントとは-開設前に必要な準備もご紹介

最近新しく建てられた保育園は、デザイン性が高くおしゃれな建物が多いと感じている方も少なくないでしょう。

実際に近年の保育園はデザインが重視される傾向にありますが、そこにはしっかりとした理由があります。なぜ近年の保育園はデザインが重要なのか、保育園に求められる条件や役割をとおして考えながら、保育園を開設する場合に必要な準備についてもご紹介します。

保育園の建築に求められる4つのポイント

昭和から平成初期の2000年ごろまでは、保育園は単に子どもの預かり場所という認識を強く持たれていました。一部の保育園を除いて、保育の質という観点から建物の造りについて考えられることはほぼなかったと言えるでしょう。

しかし、2000年前後からは保育園に求められる保育の内容も変化してきました。園児の教育や社会性の確立、子どもを中心に考えた保育方針など、保育園が果たす役割にも変化が訪れています。

1990年代には専業主婦のいる世帯と共働き世帯の数は拮抗していましたが、2000年以降は共働き世帯のほうが多くなり、その後は差が開いていく状況にあります。共働き世帯が増えると同時に核家族化も重なり、保育園の利用が増えたことで保育園に求められる役割や保育の質も変わったと考えられます。

近年求められる質の高い保育を実践するため、保育園の建物には次の4つのポイントが求められます。

安全性

保育園で子どもの安全を守るのは大前提です。

子どもたちが安全に過ごせるよう、細部まで安全に配慮した設計が必要になります。

楽しさ

保育園自体を楽しい所だと子どもが認識し、毎日通いたい場所にする工夫が求められます。

そのためには、子どもが伸び伸びと動き回れる回遊性のある設計にすると効果的です。

清潔さ

保育園にネガティブなイメージを持たれないよう、トイレは明るく清潔な印象にすることが大切です。保護者はトイレの清潔度を見て保育環境を判断することも少なくありません。

普段いる保育室とは別にランチルームを設置するのも清潔さを保つうえで有効です。また、園の外から中へ入る際に手洗いやうがいのできる水道の設置場所もポイントとなります。

空間の配置

保育園の事故で多いのが、子ども同士の衝突です。そういった事故を防ぎ、保育士がすぐに駆けつけられるような空間の配置が大切です。

保育士が見渡しやすく目の届きやすい配置にすることで安全性が高まるだけでなく、保育士の働きやすさも向上します。

保育園に求められる3つのデザイン

このような条件を満たす保育園を建築するために必要となるのが、子ども・保護者・職員の3つの観点から考えたデザインです。それぞれ順に見ていきましょう。

子どものためのデザイン

子どもの安全を守りつつ、楽しく過ごせる環境に整えたデザインにすることが重要です。

伸び伸びと楽しく遊びながら社会性を身に付けていくために、手洗い場や備品にも遊び心を加えるなど、こだわりのあるデザインを取り入れましょう。

保護者の視点を意識したデザイン

保護者は、大切な子どもを安心して預けられる場所かどうかを判断したいものです。

そういった判断の基準となるのが、安全性や清潔さを感じられるかどうかといった空間の印象です。

また、保育園の建物の外観を独自性のあるデザインにすることで集客力アップの効果を狙うという方法も考えられます。

職員の働きやすさを考えたデザイン

近年は保育士不足が問題となると同時に、保育士の労働環境も注目されるようになっています。

少しでも保育士が働きやすく、子どもの安全を守りやすい環境にできるかを考えたデザインにすることが大切です。

職員の視点も取り入れたデザインにすることで、保育士の離職率低下と保育士確保にもつながるでしょう。

保育園の建築で重要な準備と注意点

保育園を建築して開園するとき、忘れてはいけない重要な準備や注意点があります。欠かすことのできない準備や注意点として次のようなものが挙げられます。

認可保育園/認可外保育園の選択

保育園開園にあたり、認可保育園とするか、認可外保育園とするかを選択しなければなりません。

認可保育園は、児童福祉法に定められた基準を満たして国の認可を受けた保育園です。一方の認可外保育園は、認可保育園以外の保育園で、無認可保育園と表現されることもあります。

認可外保育園は、国で定めた基準を満たしていないだけで、都道府県の基準は満たして知事からの認可は受けています。

認可保育園は国や自治体から補助金の支給を受けて運営することができますが、入園の基準は自治体によって異なります。一方、認可外保育園は保育料やサービス内容を独自に設定できる点がメリットです。設備基準を満たしていても、独自の特徴を出すためにあえて認可外を選択している保育園もあります。

設備基準の確認

認可保育園として認可を受けるためには、児童福祉法に定められた基準を満たす必要があります。

基準の内容は以下のリンクで確認することができます。

保育所の設置認可等について|厚生労働省
保育所設置認可等の基準に関する指針|千葉県(PDF)

上記の「保育所設置認可等の基準に関する指針」のなかでは、開所時間や土地の条件のほか必要な設備についても定められています。また、近隣への配慮や入念な説明に関しても触れられています。近年では近隣住民との調整が理由となり、保育園開設を中止または延期するケースもあります。近隣への丁寧な説明をとおして理解を得ることの重要性が高くなっています。

実績のある業者の選定

保育園の建築に際し、通常は施主が設計事務所、施工会社などに工事の相談をすることになります。

このとき、どういった会社を選ぶとよいでしょうか。

保育園の建築は、外観デザインや内装の安全性についての重要性が高く、集客にも影響します。そのため、そういったデザインを実現できる会社を選ぶのがおすすめです。

また、設計事務所だけでなく、施工会社についても保育園の施工実績のある会社に依頼することが重要です。過去の施工実績が公開されていれば、どういった分野の建物を得意としているのか、どの程度の技術を持っているかを判断することができるでしょう。

施工会社はさまざまな建物の建築を手掛けるなかで、得意とする分野が分かれます。保育園の施工実績が豊富であれば、細部まで安全性やデザイン性にこだわった施工を依頼することができます。また、設計図どおりに施工を行うだけでなく、設計では表現しきれなかった配慮や遊び心などの提案もしてくれる場合があります。

保育園は、基本的に4月開園に向けて建物の完成前から入園する園児を募集することになります。このとき、工事のトラブルによって工期が延び、開園が間に合わないといった事態は絶対に避けなければなりません。そのため、工期を厳守できる施工会社を選ぶようにしましょう。

さらに、実績のある施工会社なら、設備基準や補助金についての知識を持つ場合が多く相談しやすいというのも、メリットです。

新たに認可保育園を開設するときには国から「保育所等整備交付金」が受けられます。また、このほかに自治体独自で補助金の交付を行っている場合もあるので、各自治体に確認しましょう。

保育園の建築は実績があり安心して任せられる業者へ

保育園を新たに開設する際に必要となる基本的な知識、現代の保育園に求められる条件やそれを実現するためのデザインについてご紹介しました。

共働き世帯と核家族の増加により保育園の需要は高まり、保育園が不足している自治体では認可保育園の新規開設が急務となっています。これと同時に、自治体とは切り離した運営を行う認可外保育園の需要も高まっています。保育園を新たに開設する場合は、子どもが安全に楽しく過ごし、社会性を身に付けていくために、保育園のデザインについてノウハウを持つ業者を選ぶのがおすすめです。 三陽建設には保育園について豊富な施工実績があり、高い品質や技術力を提供しています。保育園の建築をご検討される際にはぜひご相談ください。

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