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木造の倉庫を建てるメリットとは?鉄骨造と木造の特徴を比較して解説

更新日 : 2023/10/04
木造の倉庫を建てるメリットとは?鉄骨造と木造の特徴を比較して解説

倉庫を建設する際、鉄骨造や木造、鉄筋コンクリート造などさまざまな建築方法があります。その中でも木造の倉庫は「燃えやすい」「耐久性が鉄骨造に比べて劣る」などのイメージがあるかもしれません。しかし、木造倉庫はさまざまな工夫を行うことで耐久性や基準をクリアできます。また、木造にも特有のメリットがあり、あえて木造が選択されるケースもあります。

そこで本記事では、木造を選ぶメリットとデメリットや鉄骨造との比較、木造の倉庫に適している業種などをご紹介します。

木造倉庫のメリット・デメリットとは

2020年の国土交通省のデータによると国内の倉庫は鉄骨造のものが大半であり、木造の倉庫は多いとは言えません。しかし、木造にも多くのメリットがあり、倉庫のような大きな建築物を木造にすることが再注目されている傾向も見られます。

では、木造倉庫には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

倉庫を木造にするメリット

木造には、次のようなメリットがあります。

  • 減価償却期間が短く節税効果につながる
    国税庁が提示している耐用年数表によると、木造倉庫は15年、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造倉庫は38年と減価償却期間が定められています。このように、木造倉庫は鉄骨造倉庫の半分以下の期間で減価償却が可能です。そのため、建築に同じ金額の費用がかかった場合、木造の方が1年ごとの減価償却費をより多く計上できます。これにより収益に対しての経費が大きくなり、節税効果が期待できます。
  • 部材コストが安い
    一般的に木造は鉄骨造に比べ部材コストが安く、同じ大きさの倉庫であれば総工費も安くなることがほとんどです。
  • 基礎工事・地盤改良のコストが小さい
    鉄骨造は部材の重量があり、建物全体も重くなることから、基礎工事費が高くなります。それに比べ、木造は部材としては軽いため建物の重量も軽くなり基礎工事費は鉄骨造りに比べると安くなります。また、地盤調査によって鉄骨造では建てられなくても、木造なら地盤改良のコストを小さく抑えて建てられるといったメリットがあります。
  • 総工期が短い

基礎工事も含めた総工期は、一般的に木造の方が短くなることが多く、鉄骨造より短期間で完成できます。保管スペースの都合で商談成立の可否が分かれるような場合に有利になるほか、工事期間中の近隣への影響も小さくすることが可能です。
倉庫の建築期間については、「倉庫建築にかかる期間は?建築時の注意点や業者の選び方も解説」をご覧ください。

  • 断熱性が高く快適
    木造は鉄骨造と比べ断熱性が高く、室内の保温性にも優れます。そのため倉庫内では快適な環境で作業することができ、冷暖房コストも抑えられます。
  • 解体工事費が安い
    木造は鉄骨造より解体が容易なため、解体工事をする際の工事費も安く抑えられます。
  • SDGsに取り組む会社としての付加価値
    SDGsが注目されるようになり、木の材料を使うメリットも周知されるようになりました。そのため、環境負荷の低い木造に取り組むことは、SDGsのアピールにも繋がります。

倉庫を木造にするデメリット

このように木造の倉庫に多くのメリットがある一方で、デメリットとなる部分もあります。

  • 部材品質のバラつきが避けられない
    木造で使われる木材は、その木が育った環境や材料加工の条件などによって、一つひとつの品質が異なります。そのため施工するうえで部材ごとの品質の見極めと熟練した技術が必要とされ、職人によって仕上がりの差が生まれやすいと言えます。
  • 大空間の確保は難しい
    剛性の高い部材を使う鉄骨造と違い、木造ではある程度の間隔ごとに柱が必要なため、大きな空間を確保するのは困難です。近年は設計技術の進歩により、構造を工夫することで大空間の確保も可能になりましたが、その場合やはりコストは大きくなります。
  • 害虫対策が必要
    木造はシロアリのような害虫に侵食されることがあります。そのため、殺虫剤の塗布などの害虫を防ぐ対策が必要です。
  • 解体後の廃材に価値がつきにくい
    木造は解体の工事費は安いものの、解体後の廃材には価値がつきにくいため、処分費用がかかることがあります。一方、鉄骨造では解体後の鉄骨も有価資材となることがあり、買い取ってもらえることも少なくありません。

木造倉庫と鉄骨造倉庫の特徴を比較

木造倉庫と鉄骨造倉庫をここまでに述べてきたメリット・デメリットを踏まえて比較すると、次のようになります。

費用

建設費用については、一般的に鉄骨造より木造が安くなります。

ただし、広い空間を確保するためにはコストアップすることもあるため、間取りや保管スペースの配置など空間とコストのバランスを考えなくてはなりません。

解体時については、解体工事費だけを見ると木造が安くなります。しかし、鉄骨造は廃材も有価物となるため、鉄の買い取り価格次第で解体時のトータルコストが安くなることもあります。

工期

一般的に木造の方が工期は短く、鉄骨造は長い期間が必要です。

鉄骨造のなかでも、軽量鉄骨であれば比較的短工期になります。

品質

木造は部材一つひとつに違いがあり、その性質を見極める職人の熟練度や、性質に合わせた加工技術が必要になります。鉄骨造では部材の品質が安定しているため、品質のバラつきは考える必要がありません。

完成後は、断熱性・吸音性に関しては木造の方が優れますが、耐震性・耐火性に関しては鉄骨造の方が高くなります。

耐久性

一般的に鉄骨造の方が耐久性はあるとされますが、鉄骨造では防錆(さび)対策が必要で、錆の進行によって耐久性が下がることもあります。

一方、木造は錆の心配はない代わりに防虫対策が必要となります。以上のように、倉庫の建設において木造と鉄骨造にはそれぞれメリットとデメリットがあります。

鉄骨造の倉庫については、12月記事「倉庫を鉄骨造にするメリットとは?構造の種類や事例もご紹介」をご覧ください。

木造倉庫に向いている業種

木造の特性を考えると、比較的保管する場所の規模が大きくなく、内部で快適な作業性を確保したい業種が向いているでしょう。また、コストを抑えた倉庫の建設にも適しています。

つまり、大規模な物流拠点のような営業倉庫では鉄骨造が適しており、自家倉庫や小規模事業者の倉庫には木造が適していると言えます。

営業倉庫や自家倉庫など、倉庫の種類については「倉庫の種類とは?自社の目的に合わせた倉庫を選ぼう」をご覧ください。

そこで、木造倉庫に向いている業種やその使用例をいくつかご紹介します。

農業・林業・畜産業・漁業の倉庫

木造倉庫は、農業・林業・畜産業で用いるトラクターや運搬機など、自走できる産業機器を格納したり、道具をしまっておいたりするなどの場面で多く使用されています。

また木造倉庫は、保温性に優れているため生鮮食品の保管に適しています。ほかにも錆に強いため潮風の影響を受けやすい漁業にも適しているでしょう。

テナントでの小売業の商品倉庫

店舗内に商品の在庫保管ができない場合に、外部に小規模な倉庫を造る場合があります。こういった場合は、低コストで建設できる木造倉庫が適しています。

工期が短いため、比較的短期間で倉庫が準備できるのもメリットとなります。

小さな商品を取り扱うECの倉庫

小さな商品を専門的に取り扱うECであれば、倉庫面積は比較的小さくて済みます。

もし大きな面積が必要だとしても、商品が小さいため、保管ラックも小さな単位で管理できることから、柱があっても支障はないでしょう。

自営業の倉庫兼作業場

在庫をあまり持つ必要のない業種の自営業であれば、作業に必要な道具と、必要なだけの資材を保管できるスペースがあれば倉庫としての要件を満たします。また、作業場としても使えるスペースがあると効率的です。さらにコストの面から考えても木造が適しています。

木造倉庫の依頼は専門性の高い業者へ

木造の倉庫はコスト面を中心としてさまざまなメリットがあり、脱炭素社会の実現という意味からも再注目されています。しかし、自然から入手する木材では一つひとつに違いがあることは避けられず、部材の品質安定という面では施工する業者の熟練度に左右されます。そのため、木造倉庫の建設にノウハウを持つ専門性の高い業者を選ぶことが重要となります。

三陽建設はさまざまな倉庫の施工実績があり、お客様の希望に沿った提案が可能です。木造倉庫の建設をお考えの際は、三陽建設までお気軽にご相談ください。

倉庫の新規建設をご検討の方は「三陽建設の新規建築」をご覧ください。

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