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工場や倉庫の屋根防水工事の種類とメリット・デメリット
更新日 : 2023/11/06工場や倉庫を水害から守るにあたって特に重要なのが屋根の防水工事です。大雨の被害から工場を守るための屋根への対策はどのような立地に建設されている工場・倉庫にとっても避けられるものではありません。
本記事では工場・倉庫の屋根防水工事について、その必要性や工事を行うタイミング、屋根工事の方法複数やそれぞれの特徴について解説します。
屋根の防水対策を行うべきか迷っている方、具体的に工事の方法を検討している方はぜひご一読ください。
Contents
工場・倉庫の屋根に防水工事をした方が良い理由
屋根の防水は水害対策の中でも特に重要と言えます。川や海からの浸水での水害対策の必要性は立地によっても異なりますが、雨からの対策は全国どのに拠点を構えていても必須と言えるでしょう。
工場・倉庫の屋根防水工事をした方が良い理由を解説します。
建物の劣化を防ぐ
防水工事を行わないもしくは適切な改修を行わなかった場合、屋根が劣化し雨漏りの原因となります。雨漏りが発生すると屋根の補修が必要となるだけでなく、設備内部も劣化し、建物の補修の費用が高額になる可能性があります。
漏電を防ぐ
雨漏りは建物自体の劣化だけでなく電気配線や電気機器の浸水から漏電に繋がるリスクもあります。漏電は感電や火災など重大な事故に繋がるリスクがあるため、漏電対策としても防水工事の必要性は非常に高いと言えるでしょう。
設備の老朽化・故障を防ぐ
雨漏りから工場。倉庫内の機械、設備に水が浸水すると老朽化・故障の原因となります。機械の修理費用は高額になる可能性があるだけでなく、生産ラインが止まってしまうと損失が大きくなるため、特に慎重な対策が求められるのです。
工場・倉庫の屋根防水工事を行うべきタイミング
工場・倉庫の屋根防水工事を実施する必要性について解説しましたが、屋根防水工事をどのタイミングで検討すべきか悩まれる方も多いと思います。
具体的にどういったタイミングが工事の検討や実施のタイミングとして良いか見ていきましょう。
工場・倉庫の新築時
工場・倉庫を新築する段階で屋根防水工事を実施しておくと後から追加で工事を行う頻度を減らせるため効率的です。完成後に後から工事を追加するのに比べると建築する段階でワンストップで対策した方が金額や工期も抑えられることも十分に考えられます。
屋根の防水対策は水害対策として有効な施策の一つ。従業員の安全や企業としての資産を守るためにも一定の予算は割くべき部分です。
設備を新築する際には、新築時に屋根防水工事を実施するのが効率的と言えるでしょう。
雨漏りなどの設備の劣化が見られるとき
雨漏りなど、明確な劣化が見られた場合は早急に工事を実施すべきです。
最初に確認された雨漏りの被害は軽微であっても、一度劣化を始めた設備は対策を講じなければ、劣化は破損個所からどんどん広がっていきます。そこに豪雨が重なってしまうと、重大な損害を被りかねません。
小さな雨漏りであっても、発生してしまうのは設備の劣化のサインです。早急に雨漏りそのものの対策を講じると同時に根本的な屋根の防水工事についても実施しましょう。
防水の耐用年数を経過したとき
防水工事は一度実施すれば半永久的に再対策が不要になるわけではありません。雨風や直射日光にさらされるうちに対策を行った設備も経年劣化していくため、定期的なメンテナンスを行う必要があるのです。
実施の目安として挙げられるのは、対策を行った素材の耐用年数です。耐用年数を経過すると一般に交換・買い替えが奨励される時期と言われるため、見直しのタイミングとして考えやすいと言えるでしょう。
ただし、耐用年数はあくまで目安であり、実際にどの程度劣化が進んでいるのかは外部の環境によって大きく異なります。耐用年数経過までは絶対に大丈夫、とは考えず劣化の度合いを定期的に確認し、次回の対策時期の目途をつけておくとより適切かつ計画的な対応が可能です。
屋根塗装の定期的なメンテナンスの必要性については「工場・倉庫の外壁塗装・屋根塗装のメンテナンスの必要性とメリット」をご覧ください。
工場・倉庫の屋根防水工事は4種類!メリット・デメリットと価格相場
工場・倉庫の屋根防水工事の方法は「シート防水」「ウレタン防水」「FRP防水」「アスファルト防水」の4種類があります。それぞれの概要やメリット・デメリット、価格相場を解説します。
費用(㎡) | 工期 | 耐用年数 | |
シート防水 | 4,000~5,500円 | 5~10日 | 10~15年 |
ウレタン防水 | 5,000~7,000円 | 5~10日 | 10~15年 |
FRP防水 | 4,000~7,000円 | 2~5日 | 8~10年 |
アスファルト防水 | 5,500~8,000円 | 6~10日 | 20~30年 |
屋根防水工事1:シート防水
シート防水は塩化ビニールシートや合成ゴムシートなどのシートを屋根に貼り付ける方法です。
シート防水のメリット
シート防水は他の工法に比べ安価に施工できる傾向にあります。また、一度シート防水にすると改修でシートを貼りなおす際の施工コストが低いのも魅力です。
シート防水のデメリット
シートを貼り付ける工法であるため、凹凸がある場所や複雑な場所への施工には向いていません。また、施工に際し振動や騒音が発生しがちなため周辺への配慮が必要です。
シート防水の価格相場
シート防水の価格相場は4,000~5,500円 / ㎡程度です。4つの方法の中で最も安価に対策が可能です。
屋根防水工事2:ウレタン防水
ウレタン防水はウレタン素材の防水塗料を塗って防水層を形成する工法です。
ウレタン防水のメリット
液体状の塗料を使うため、凹凸のある屋根などシート防水では対応が難しい箇所に対しても柔軟に対応ができます。
また、塗り重ねることが可能なため、メンテナンスが比較的容易なこともメリットとして挙げられるでしょう。
ウレタン防水のデメリット
ウレタン防水での施工は施工中に強い臭いを発するため、周辺への配慮が必須です。また、業者により仕上がりに差が出やすい工法であるため、実績豊富な業者を選ぶ必要があります。
ウレタン防水の価格相場
ウレタン防水の価格相場は5,000~7,000円 / ㎡です。シート防水と比較すると高額ですが4つの工法の中では比較的安価で施工可能な傾向にあります。
屋根防水工事3:FRP防水
FRP防水とはポリエステル樹脂とガラスマットを塗り重ねることにより防水層(FRP系防水層)を形成する方法です。
FRP防水のメリット
FRP防水は乾きやすい素材を用いた工法であるため、短工期で仕上げられることが大きなメリットとして挙げられます。また、柔軟な素材であるため、複雑な箇所にも対応が可能です。素材が軽量であるため、木造の建築物などの防水対策に特に向いています。
FRP防水のデメリット
FRP防水は他の方法と比較すると耐用年数が短い傾向にあります。また、施工中には強い臭いやガスが発生するため、周辺への配慮も必要と言えるでしょう。
FRP防水の価格相場
FRP防水の価格相場は4,000~7,000円 / ㎡です。同じ箇所に施工を行う場合、シート防水やウレタン防水より高額になる傾向にあります。
屋根防水工事4:アスファルト防水
アスファルト防水は防水シートの上にアスファルトを溶かしながら接着し、防水層を形成する方法です。
アスファルト防水のメリット
耐水性、耐久性に優れることが最大のメリットです。耐用年数が長く、一度施工するとメンテナンスの頻度を他の方法と比べると減らすことができます。
アスファルト防水のデメリット
他の方法に比べ工数がかかるため、工事費用・工期がかかります。また、施工時に臭いや煙が発生するため周辺への配慮が欠かせません。
アスファルト防水の価格相場
アスファルト防水の価格相場は5,500~8,000円 / ㎡程度です。4つの工法の中で最も高価な傾向にあります。
工場や倉庫の屋根防水工事でよくある質問
工場倉庫の屋根防水工事でよく聞かれる質問とその回答をご紹介します。
屋根の防水工事を行うのに適した時期はありますか?
防水工事は基本的に一年中行うことができますが、春と秋は天候が安定しており作業が進めやすいため、屋根防水工事を実施するのに適した時期といえます。
工場・倉庫の屋根の防水工事はどれくらいの頻度で実施が必要ですか?
工場や倉庫の屋根の防水工事は、一般的に10年から15年周期で行うのが目安です。防水工事の耐用年数は、工法によって異なりますので防水機能が失われる前に修繕・メンテナンスを行いましょう。
工場・倉庫の稼働を止めずに防水工事をすることは可能ですか?
はい、可能です。屋根の防水工事は屋外の作業がメインになりますので生産ラインを止めずに実施可能です。
また、三陽建設では稼働を止めずに工事を行う「居ながら改修」の実績も多くございます。生産高や売上を確保しながら改修工事を行うことができますのでお気軽にご相談ください。
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まとめ
工場・倉庫の屋根の防水工事についてまとめました。工場・倉庫の立地に関わらず雨をよけることは基本的にできません。豪雨による水害がもたらす被害は時に甚大なものとなりかねないため、対策は必須と言えるでしょう。
防水工事の方法には4種類があり、それぞれの方法においても予算、工期や耐用年数の違いによるメンテナンス頻度の差があります。今回の内容も参考に自社にとって望ましい施工方法を比較検討し、防水工事を検討してみてください。
三陽建設は創業100年を越える実績があり、多くの工場や倉庫の建設に携わってきました。
屋根の防水工事では予算や要望にあわせて最適な方法をご提案いたします。また、定期的なメンテナンスや点検も承っていますので、工場・倉庫の防水工事や雨漏り対策をご検討の際は、お気軽にご相談ください。